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安全・安心で質の高い学校施設等の整備の推進

文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部

文部科学省では、誰もが安心して利用できる安全な学校施設づくりを目指し、耐震化や防災機能強化を推進するとともに、災害復旧を支援しています。

また、豊かな教育環境を実現するために、長寿命化対策、環境を考慮した学校施設(エコスクール)の整備等を推進し、地方公共団体が学校施設を整備する際の参考となる指針や手引、事例集などの作成を通じて、安全で質の高い学校づくりを進めています。

国立大学等施設についても、安全・安心な教育研究環境の整備や機能強化等への対応のため、耐震化や老朽施設の改善整備を中心とした戦略的なリノベーションなど、重点的・計画的な整備を進めています。

災害に強い学校施設整備

学校施設の防災対策

学校施設は、子供たちの学習・生活の場であるとともに、災害時には地域住民の避難所としての役割も果たすことから、その安全性の確保と防災機能の強化は極めて重要です。

そのため、文部科学省では、公立学校施設の構造体の耐震化及び屋内運動場等のり天井の落下防止対策について、制度の充実を図りながら重点的に推進してきました。

その結果、令和2年4月1日現在で公立小中学校の構造体の耐震化率は99・4%、屋内運動場等の吊り天井等の落下防止対策実施率は99・2%となり、おおむね完了した状況です。文部科学省としては、これらの対策が未完了の地方公共団体に対して、引き続き、必要な財政支援を行うとともに、一刻も早く耐震化が完了するよう要請しています。

「平成28年熊本地震」では、公立学校施設においては、耐震化や吊り天井の対策が進んでいたため、倒壊・崩壊等に至る大きな被害はなかった一方で、外壁や窓などの吊り天井以外の非構造部材において、落下などの被害が目立ち、避難所としての使用ができない学校も発生し、課題となりました。有識者会議で取りまとめた緊急提言では、安全対策の観点から優先順位をつけて計画的に老朽化対策を行うことに加えて、学校施設の防災機能に関して、学校施設ごとに避難所として求められる役割・備えるべき機能等を明確化すること等の課題が提示されました。

これらを踏まえ、文部科学省では、学校施設における防災機能の向上の観点から、避難所に必要な防災機能の保有状況等の調査を実施しています。平成31年度の調査では、避難所としての防災機能の整備が進んではいるものの、断水時のトイレ使用が可能な学校が6割弱にとどまるなど、引き続き対策が必要な状況でした。これを受け、防災担当部局等と教育委員会の連携協力体制の構築を図るとともに、避難所となる学校施設の防災機能の強化を一層推進するよう取り組んでいます。

「平成30年大阪府北部を震源とする地震」では、学校のブロック塀が倒壊し、児童が亡くなるという大変痛ましい事故が発生しました。このことを受け、文部科学省では、学校施設におけるブロック塀等の安全対策等に対して財政支援を行うとともに、速やかな完了を要請してきました。その結果、令和2年9月時点の調査では、安全対策が完了した学校数の割合は、全学校数の91・6%(約4万7000校)となりました。文部科学省としては、引き続き、児童生徒の安全・安心を確保する観点から、安全対策が未完了のブロック塀等を保有する学校の設置者に対して、安全対策の実施が進むよう、指導しています。

また、「令和元年房総半島台風」、「令和元年東日本台風」等で発生した大規模な風水害により、学校施設等に甚大な被害が広範囲に発生し、平時の対策・準備が課題となりました。これらを受けて、文部科学省では、学校施設の安全の確保や被害の軽減のため、風水害対策のパンフレットを作成しました。

さらに、南海トラフ地震等の切迫した災害やインフラが今後一斉に老朽化することに対応するため、防災・減災、国土強靱化の取組の加速化・深化を図り、令和7年度までの5か年に重点的・集中的に講ずる対策を取りまとめたものとして「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」が令和2年12月11日に閣議決定されました。この中で、学校施設関係の対策として、非構造部材の耐震対策を含む老朽化対策や、防災機能強化対策を行うこととされています。

文部科学省としては、地震や津波などの大規模な災害時において避難所としての役割も果たす学校施設の機能維持を図るため、財政支援など必要な支援に取り組んでまいります。

学校施設の災害復旧

文部科学省では、自然災害により被害を受けた公立学校施設の復旧に要する経費の一部を国庫負担(補助)しています。特に、激甚災害に指定された災害に関しては、地方公共団体ごとにその財政規模に応じて国庫負担率が引き上げられます。

また、国立大学等施設についても、自然災害により被害を受けた施設の復旧に要する経費を国庫補助しています。

さらに、私立学校施設についても、激甚災害に指定された災害により被害を受けた施設の復旧に要する経費の一部を国庫補助しています。

これらの取組により、平成23年に発生した「東日本大震災」により被災した学校施設については、国からの支援を得て復旧する公立学校2,328校のうち2,318校(99・6%)、国立大学法人等25法人全て(100・0%)、私立学校790校のうち784校(99・2%)の復旧が完了しました。

東日本大震災以降も、「平成28年熊本地震」、「平成30年7月豪雨」、「令和元年東日本台風」や「令和2年7月豪雨」など相次ぐ災害により、多くの学校施設が被害を受けました。これらの災害の被災地でも、国からの支援を得て、仮設校舎の設置や校舎の本復旧などが現在も進められています。

文部科学省では、引き続き、自然災害により被害を受けた学校施設の早期復旧に向けて、支援してまいります。

豊かな学校施設環境の構築

新しい時代の学びを支える学校施設等

文部科学省では、学校教育を進める上で必要な施設機能の確保のため施設計画及び設計における基本的な考え方や留意事項を示した「学校施設整備指針」を学校種ごとに策定しています。また、今後の学校施設の在り方や、学校施設整備指針の策定について、学識経験者等からなる「学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議」(以下「協力者会議」という。)において調査研究を行っています。学習指導要領の改訂等に対応するための議論を行ったところであり、文部科学省では協力者会議における検討結果を踏まえ、平成30年3月に幼稚園、平成31年3月に小学校及び中学校の施設整備指針を改訂しました。また、令和元年6月からは高等学校施設の在り方について検討を進めています。

さらに、令和3年1月には、中央教育審議会や教育再生実行会議における新しい時代の学びの在り方等に関する検討を踏まえ、協力者会議の下に「新しい時代の学校施設検討部会」を新たに立ち上げ、1人1台端末環境のもと情報端末等を常時活用可能な教室用机(新JIS規格)を配置できる空間や、自由度の高いオープンスペースの整備など、個別最適な学びと協働的な学びに対応した施設環境や、施設の複合化等による効率的・効果的な整備など、新しい時代の学びを実現するための学校施設の在り方やその推進方策について検討を進めています。

協力者会議及び学校施設整備指針に関する情報は、文部科学省ホームページにおいて公表しています。

(参考)学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shisetu/044/index.htm

なお、新たな時代の学びを支える学校施設の実現の一環として、1人1台端末環境に対応した新JIS規格の教室用机の整備について、令和3年度より地方交付税措置されています。

学校施設のバリアフリー化の推進

令和3年4月に改正バリアフリー法等が施行され、特別特定建築物に公立小中学校等が新たに位置付けられ、2,000㎡以上の公立小中学校等を建築等する際に、バリアフリー基準適合が義務付けられたほか、2,000㎡未満のものを建築する際や、既存のものについても努力義務が課せられました。

一方、文部科学省が実施した「学校施設におけるバリアフリー化の状況調査」(令和2年5月1日時点)では、既存施設のバリアフリー化が必ずしも十分整備されているとは言い難い状況であることが明らかになりました。

文部科学省では令和2年7月に「学校施設のバリアフリー化等の推進に関する調査研究協力者会議」を設置し、既存施設を含めた学校施設におけるバリアフリー化等を加速していくための方策等について検討を行い、令和2年12月に報告書を取りまとめました。また、この報告書を踏まえ、学校施設バリアフリー化推進指針を改訂し、国としての公立小中学校等施設のバリアフリー化に関する整備目標を示しました。

文部科学省では学校設置者に対し、調査結果や報告書、整備目標について通知するとともに、バリアフリー化の計画策定、取組の加速化を要請しました。今後は、好事例の横展開や財政支援の充実(令和3年度より既存施設におけるバリアフリー化工事の国庫補助率を1/3から1/2に引上げ)など学校設置者の取組を積極的に支援してまいります。

(参考)学校施設のバリアフリー化等の推進に関する調査研究協力者会議(報告等)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shisetu/059/index.html

環境を考慮した学校施設づくり

地球環境問題への対応が喫緊の課題となっている中、再生可能エネルギー設備の導入、校舎や体育館等の断熱性の向上、校庭の芝生化などの環境を考慮した学校施設(エコスクール)の整備が進められています。

エコスクールの整備によって、児童生徒にとって健康的で快適な学習・生活空間を維持しながら施設の環境負荷低減を図ることができます。また、エコスクールは、児童生徒が環境について学ぶ教材としての側面を持つとともに、地域の環境教育の発信拠点としての機能を果たすこともできます。

エコスクールの整備を推進するため、文部科学省では、関係省庁と連携してエコスクールパイロット・モデル事業を平成9年度から28年度まで実施し、1663校認定してきました。平成29年度からは「エコスクール・プラス」に改称し、エコスクールとして整備する学校を198校認定しています。

また、文部科学省ホームページにおいて、エコスクールの効果や積極的な取組事例などについて情報提供をしています。令和元年度に「環境を考慮した学校施設づくり事例集―継続的に活用するためのヒント―」を作成しました。

文部科学省では、引き続きエコスクールの整備の推進に取り組んでまいります。

学校における省エネルギー対策の推進

「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」に基づき、学校はエネルギーの使用の合理化(省エネルギー)に努めることが求められています。省エネルギーは、我慢によるエネルギー使用量の削減を求めることではなく、児童生徒の学習環境を確保した上でエネルギーを無駄なく使用することです。

近年の学校施設は、エアコン設置やICT導入による高機能化や学校教育以外の多目的利用等による多機能化によりエネルギー使用量が増加する傾向にあり、地方公共団体が省エネルギーの推進に苦慮している状況が見られます。

このため、文部科学省では,学校でできる省エネルギー対策に関する資料「学校でできる省エネ」や学校等における省エネルギー推進のための基本的事項をまとめた「学校等における省エネルギー推進のための手引き」を作成し、省エネルギー対策に関する実地調査や講習会の実施などの取組を行っています。

また、学校設置者等に対し、エネルギー使用量が増加する夏季と冬季に省エネルギー対策への協力を呼び掛けています。

(参考)省エネ法、グリーン購入法等への取組
https://www.mext.go.jp/a_menu/shisetu/green/index.htm

木材を活用した学校施設づくり

学校施設における木材の利用は、木材の柔らかで温かみのある感触や優れた吸湿効果から、豊かで快適な学習環境づくりを行う上で大きな効果が期待できます。また、地場産業の活性化、地球環境の保全などの観点からも大きな意義があります。

このため、文部科学省では、木材を利用した公立学校施設の整備について、財政支援を行うとともに、木材利用に関する事例集の作成・配布、講習会の実施などの取組を行っています。

平成26年度に日本産業規格である「木造校舎の構造設計標準(JIS A 3301)」について全面改正するとともに、JIS A 3301の解説書となる技術資料を作成しました。また、平成27年度には、建築基準法の一部改正を受け、「木の学校づくり︱木造3階建て校舎の手引︱」を作成しました。

平成27年度から29年度まで、JIS A 3301を活用した木造校舎、木造3階建て学校施設、CLT(直交集成板)を用いた木造校舎等を整備する地方公共団体の先導的な取組を支援する、「木の学校づくり先導事業」を実施しました。

平成30年度に「木の学校づくり︱その構想からメンテナンスまで︱(改訂版)」、令和元年度に「木の学校づくり 学校施設等のCLT活用事例」を作成しました。

文部科学省では、引き続き学校施設における木材利用の推進に取り組んでまいります。

学校施設における維持管理の徹底

学校施設には、日常のみならず災害時においても十分な安全性・機能性が求められます。建築当初には確保されているこれらの性能も、経年等により満たさなくなっているおそれがあることから、学校施設の管理者等は、当該施設が常に健全な状態であるよう、適切に維持管理を行うことが必要です。

文部科学省では、平成28年3月に「子供たちの安全を守るために―学校設置者のための維持管理手引―」、令和2年5月に「学校施設の維持管理の徹底に向けて―子供たちを守るために」を作成し、学校設置者に周知しているほか、平成29年7月には建築基準法や消防法に基づく点検の実施と要是正項目の早期の是正を要請する通知を発出するなど、学校施設における維持管理の適切な実施を推進しています。また、平成29年5月には体育館の床板のはくによる負傷事故の防止を目的として、適切な清掃(ワックス掛け・水拭きの禁止)や日常点検を要請する通知を発出するなど、維持管理を通じた安全・安心な教育環境の確保に取り組んでいます。

アスベストへの対策

文部科学省では、平成17年度に「学校施設等における吹き付けアスベスト等使用実態調査」を実施し、以後フォローアップ調査を継続的に実施してきました。この吹き付けアスベスト等の対策については、ほぼ完了している状況です。

また、平成26年3月に石綿障害予防規則が改正され、石綿含有保温材等(保温材、耐火被覆材、煙突用断熱材等)が新たに規制対象に加えられたことを受け、教室や廊下等の児童生徒・教職員等が通常立ち入る場所及び煙突を対象とし、その使用状況及び劣化、損傷等の状況について、調査を実施しています。

建物には多種多様なアスベスト含有建材が使用されており、経年等により劣化・損傷するおそれがあることから、各機関においては、引き続き適切な維持管理や建物の利用者に対する情報提供が重要です。また、令和2年に大気汚染防止法及び石綿障害予防規則が改正され、建築物等の解体・改修工事における石綿飛散防止対策が強化されたことも踏まえ、改修や取壊しの際には、関係法令等に基づき適切に対応をすることが必要です。

文部科学省では、児童生徒等の安全のため、引き続き、アスベスト対策に取り組んでまいります。

公立学校の長寿命化対策

公立学校施設については、これまで耐震化を最優先に進めてきましたが、その一方で、老朽化が進行した学校施設の割合が増加しており、安全面や機能面で不具合が生じています。

平成29年度に文部科学省が実施した調査によれば、全国の公立小中学校で、外壁・窓枠の落下など建物の老朽化が主因の安全面における不具合は年間約3万2000件発生しており、約1万4000件であった平成24年度調査に比べて2倍以上となっています。

また、家庭や社会の環境の変化に伴い少人数による指導体制や1人1台端末に対応した施設環境の整備、バリアフリー化、空調設備の設置、トイレの改修、省エネルギー化などの学校施設の機能・性能の向上が求められています。さらに、公立学校の約9割が避難所に指定されており、防災機能の強化も求められています。

厳しい財政状況の下、これらの課題を解決するためには、中長期的な視点の下、計画的な整備を行うとともに、コストを抑えながら改築(建替え)と同等の教育環境を確保することができ、排出する廃棄物量も少ない「長寿命化改修」に重点を移していくことが必要です。

長寿命化改修は、建物の耐久性を高めることに加え、学校施設に対する現代の社会的事情に応じるよう、建物の機能や性能を引き上げるものです。適切なタイミング(おおむね築後45年程度まで)で長寿命化改修を行うことで、技術的には、70~80年程度に耐用年数を延ばすことが可能です。

平成25年11月、政府において「インフラ長寿命化基本計画」(以下、「基本計画」という。)が策定されました。基本計画は、国民の安全・安心を確保し、中長期的な維持管理・更新等に係るトータルコストの縮減や予算の平準化を図るための方向性を示すものです。

基本計画では、各地方公共団体において、域内の公共施設等の総合的かつ計画的な管理を推進するための計画(公共施設等総合管理計画)を策定するとともに、個別施設ごとの長寿命化計画(個別施設計画)を策定することが求められています。

文部科学省では、地方公共団体による長寿命化改修の導入を推進するため、平成25年度から地方公共団体が行う長寿命化改修に対する国庫補助を行うとともに、令和2年度からは長寿命化を図る前提で実施する予防的な改修についても補助対象としています。また、令和3年度からは、個別施設計画の策定を交付金事業申請の前提条件としました。

今後も引き続き、各地方公共団体が、長寿命化改修などの老朽化対策をそれぞれの実情に応じて適切に進めることができるよう支援してまいります。

公立学校の空調設備

近年、災害ともいわれる猛暑に起因して、熱中症等の児童生徒の健康被害が発生しており、学校施設においても地域の実情を踏まえて空調を使用しつつ、適切な学習環境を確保することが重要です。文部科学省では、公立小中学校等の教室や体育館への空調設備の整備に対し支援をしており、令和2年9月1日時点での公立小中学校等における空調(冷房)設備の設置率は、普通教室で93・0%(前年同月78・4%、14・6ポイント増)、特別教室等で57・5%(前年同月50・5%、7・0ポイント増)、体育館等で9・0%(前年同月3・2%、5・8ポイント増)となりました。

文部科学省では、今後とも、子供たちの熱中症予防のため、教室等への空調設備の設置が早期に実施されるよう、引き続き、整備の推進に取り組みます。

公立特別支援学校の教室不足への対応

公立特別支援学校については、令和元年5月1日現在、全国で3,162教室が不足しています。

文部科学省では、各地方公共団体に対し特別支援学校への受入れが想定される児童生徒数の推計を的確に行い、教室不足の解消計画を策定・更新するとともに、学校の新設や校舎の増築、分校・分教室の整備、廃校・余裕教室等の既存施設の活用等によって、教育上支障が生じないよう適切な対応を求めています。

また、令和2年度から6年度までを教室不足解消のための「集中取組期間」とし、既存施設を特別支援学校の用に供する改修事業について、国庫補助の算定割合を3分の1から2分の1へ引き上げています。

公立学校の廃校・余裕教室の活用

近年、少子化に伴う児童生徒数の減少により、廃校や余裕教室が増加しており、その有効活用が課題となっています。こうした状況を受けて、文部科学省では次のような取組を実施しています。

① 活用事例等の情報提供
廃校・余裕教室の活用事例や、活用用途を募集している廃校施設の一覧、活用に当たって利用可能な各省庁の補助制度等についてパンフレットや文部科学省のホームページを通じて情報提供したり、廃校を所有する地方公共団体と活用希望者とのマッチングを図るイベントを開催したりしています。

(参考)~未来につなごう~「みんなの廃校」プロジェクト
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyosei/1296809.htm

余裕教室の有効利用
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyosei/yoyuu.htm

② 財産処分手続の簡素化
国庫補助金により整備した学校施設を学校以外に転用等する場合、国庫補助事業完了後10年以上経過した建物等の無償による財産処分であれば、原則として国庫納付を不要にする等、財産処分手続を簡素化しています。

国立大学等の施設整備

国立大学等施設の現状と課題

国立大学等の施設は、創造性豊かな人材育成、独創的・先端的な学術研究の推進など国立大学等の使命を果たすための基盤です。

しかし、国立大学等の施設は、昭和40~50年代に大量に整備された施設が一斉に老朽化しており、老朽改善整備が追いついていません。また、キャンパス内に敷設されている給排水管やガス管などのライフラインの老朽化も著しく進行しており、今後、故障や事故が増加することが危惧されているほか、漏水等の不要な支出の原因となるなど経営面にも影響する課題となっています。

今後の国立大学等施設の方向性

文部科学省では、「第6期科学技術・イノベーション基本計画(令和3年3月26日閣議決定)」を踏まえ、令和3年度から令和7年度までを計画期間とする「第5次国立大学法人等施設整備5か年計画」(令和3年3月31日文部科学大臣決定)(以下、「第5次5か年計画」という。)を策定し、引き続き、国立大学等施設の計画的かつ重点的な施設整備を推進していくこととなりました。

これからの国立大学等は、学修者本位の教育への転換や世界をリードする最先端研究の推進など、本来的な役割である教育研究機能の強化とともに、地域・社会・世界への貢献が求められています。そのためには、知と人材の集積拠点としての特性を最大限に発揮し、市民・行政・教育研究機関・企業・金融機関・NPO法人等社会の様々なステークホルダーとの連携により創造活動を展開する「共創」の拠点となることが期待されています。また、ポストコロナ社会も見据えた対面とオンラインの双方のメリットをいかした効果的なハイブリッドによる教育研究活動の実現も求められています。

第5次5か年計画のポイントは、国立大学等が「共創」の拠点としての役割を果たすため、キャンパス全体を「イノベーション・コモンズ」へと転換していくことです。イノベーション・コモンズとは、教育、研究、産学連携、地域連携など様々な分野・場面において、学生、研究者、産業界、自治体など様々なプレーヤーが対面やオンラインを通じ自由に集い、交流し、共創することで、新たな価値を創造できるキャンパスのことです。その実現に向けて、老朽改善整備の加速化とともに、ICT環境の整備、国土強靱化やカーボンニュートラルに向けた取組、施設マネジメントの取組、多様な財源の活用等を一層推進していきます。

国立大学等の活動の重要な基盤となる施設整備は「未来への投資」であり、文部科学省と国立大学法人等が連携し、第5次5か年計画の推進に取り組んでまいります。

戦略的な施設マネジメントの推進

第5次5か年計画の推進に当たっては、国立大学の基本理念やアカデミックプランの実現や経営の観点から、施設の整備や維持管理、既存施設の有効活用、省エネルギー対策、これらに必要な財源の確保などの施設全般に係る施設マネジメントの取組をより一層推進することが求められます。

このため、文部科学省では、施設マネジメントの基本的な考え方、具体的な実施方策や先進的な取組事例等を示した報告書や事例集等を作成し、国立大学法人等における戦略的な施設マネジメントの取組を推進しています。

報告書や事例集等は、文部科学省のホームページにおいて公表しています。

(参考)施設マネジメントの推進ホームページ
https://www.mext.go.jp/a_menu/shisetu/kokuritu/1318421.htm

また、国立大学等施設の老朽化が深刻な課題となる中、施設の長寿命化により既存施設を有効活用し、トータルコストの縮減や予算の平準化を図ることが求められています。

このため、文部科学省では、「国立大学法人等施設の長寿命化に向けたライフサイクルの最適化に関する検討会」において、施設の長寿命化に向けた基本的な考え方や具体的な推進方策等についての検討を行い、報告書を取りまとめるとともに、個別施設ごとの長寿命化計画(個別施設計画)の策定を推進してきました。令和2年度中に、全ての国立大学法人等で個別施設計画が策定されています。

今後は、各国立大学法人等の個別施設計画の更なる充実を支援するなど、戦略的な施設マネジメントの取組や多様な財源を活用した施設整備を一層推進していきます。

国立大学の附属病院施設の整備

国立大学附属病院は、既存施設の老朽・狭隘解消や、教育研究機能の向上、先端医療や地域医療に対応した施設を実現するため、中央診療棟・外来棟・病棟をまとめて再生整備する再開発整備を実施してきました。さらに、国立大学附属病院が、災害発生時や新型コロナウイルス感染症などの感染症流行時に、地域医療の最後の砦としての役割を果たすため、施設の機能強化に取り組んでいます。

文部科学省では、令和2年度第3次補正予算を活用して、コロナ禍や今後の新たな感染症の流行等の不測の事態が生じた場合にも、国立大学附属病院がその機能・役割を一層発揮するとともに、大学の教育・研究機能を引き続き確保できるよう、多用途に活用できるスペースを整備する事業を実施します。

これまでは、院内感染のリスクを低減するため、屋外の駐車場にテントを作ったり、仮設プレハブを置いたりして感染症対策を行ってきました。新たに整備するスペースは、感染症の流行時には、来院する患者を感染者とそれ以外の患者の振り分けに活用し、平常時には、患者の読書スペースや医療従事者の研修などの多様な用途に活用できる施設として整備します。

多様な文教施設整備

文教施設への民間資金等の活用

効率的かつ効果的であって良好な公共サービスを実現するため、多様なPPP/PFI(Public Private Partnership / Private Finance Initiative)を推進することが重要です。

令和2年7月17日、民間資金等活用事業推進会議において決定された「PPP/PFI推進アクションプラン(令和2年改定版)」では、学校等のキャッシュフローを生み出しにくいインフラについても、老朽化や地方公共団体職員の不足に対応しつつ、効率的かつ良好な公共サービスの提供を実現するため、包括的民間委託やPFI方式の導入を推進することとされました。

文部科学省では、文教施設における多様なPPP/PFIの導入が促進されるよう、地方公共団体等における導入検討の支援事業を平成29年度から実施しています。また、令和2年3月には、「施設整備を含む先導的なPPP/PFI事業編」、「維持管理等のみを行う先導的なPPP/PFI事業編」、「効果的・効率的に集約化・共用化等を行った文教施設編」の3編により構成された「文教施設における多様なPPP/PFI事業等の事例集」を作成し、地方公共団体に周知するとともに、本事例集のより効果的な活用を図るため、内容を解説するオンラインセミナーを開催したところです。

今後とも、PPP/PFIを検討する地方公共団体の支援に取り組んでまいります。

文教施設整備への技術的支援

文部科学省では、教育、学術、スポーツ及び文化の活動等の推進のため、これら文教行政と密接な関わりを持つ施設の整備を行っています。

近年ではナショナルトレーニングセンター屋内トレーニングセンター イースト(東館)の建設や国土強靱化の取組として施設の安心・安全の観点から、国際連合大学本部施設における国際会議場や中会議場の天井耐震改修を実施したほか、日本学士院庁舎の総会議場天井耐震改修、日本芸術院会館の外塀改修などの整備を実施しました。

また、文教施設の質的水準の確保・向上、施設整備事務の効率化等を図るため、施設整備に必要な技術的基準を策定しています。これまで、国立大学等の機能を活性化する教育研究空間づくりを推進するため「国立大学等施設設計指針」を策定するとともに、国立大学等の特色ある施設整備を紹介する事例集の作成等を行っており、令和2年度は、先端的研究テーマを扱う実験室の事例を掲載した「特色あるラボデザインの事例集」を作成しました。

引き続き国立大学等の施設整備を支援してまいります。

(参考)国立大学等の特色ある施設(事例集等)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shisetu/kokuritu/1404577.htm

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