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令和元年度「国語に関する世論調査」の結果について

文化庁国語課

文化庁では、国語施策の参考とするとともに、国民の国語への関心を喚起するため、平成7年度から毎年「国語に関する世論調査」を実施しています。ここでは、この度発表された令和元年度の調査結果の一部を御紹介します。

令和元年度の「国語に関する世論調査」では、国語の乱れ、外国人と日本語、敬語に関する言葉遣い、漢字表記、新しい表現、慣用句等の意味・言い方など全部で13の項目について調査しました。調査結果は、文化審議会国語分科会の審議資料とされる等、国語施策の参考とされます。
ここでは、今回の調査結果のうち、国語の乱れ、敬語に関する言葉遣い、慣用句等の意味・言い方などについての設問を御紹介します。なお、全問については次のリンクを御参照ください。
https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/92531901.html

国語の乱れ
ふだんの生活の中で接している言葉から考えて、今の国語は乱れていると思うかを尋ねました。
結果は、「非常に乱れていると思う」を選択した人の割合が10.5%、「ある程度乱れていると思う」が55.6%で、この二つを合わせた「乱れていると思う(計)」は66.1%となっています。一方、「全く乱れていないと思う」は2.4%、「余り乱れていないと思う」は27.8%で、この二つを合わせた「乱れていないと思う(計)」は30.2%となっています。
過去の調査結果(平成11、14、19、26年度)と比較すると(図1)、「乱れていると思う(計)」は、平成11年度調査(85.8%)から今回調査(66.1%)に掛けて減少傾向にあり、前回の平成26年度調査(73.2%)から7ポイント減少しています。

国語が乱れていると思う点
国語が「非常に乱れていると思う」と「ある程度乱れていると思う」と回答した人(全体の66.1%)に、どのような点で乱れていると思うかを尋ねました(選択肢の中から三つまで回答)(図2)。
「敬語の使い方」(63.4%)、「若者言葉」(61.3%)の割合が他に比べて高く、それぞれ6割を超えています。次いで「新語・流行語の多用」(34.3%)、挨拶言葉」(32.2%)が3割を超えています。

在留外国人への情報伝達に必要な取組
災害や行政に関する情報などを日本に住んでいる外国人に伝えるために、どのような取組が必要だと思うかを尋ねました(選択肢の中から幾つでも回答)(図3)。
「様々な国の言葉で情報提供をする取組」が58.1%で最も高く、次いで「やさしい日本語で分かりやすく伝えようという取組」が46.3%となっています。
なお、日本に住んでいる外国人に対するやさしい日本語の取組を知っているかを尋ねる問いでは、「知っている」が29.6%,「知らない」が68.1%となっています。

敬語に関する言葉遣い
「誠に申し訳なく、深く反省させていただきます」「こちらで待たれてください」など、傍線部の八つの言い方を挙げて、気になるかどうかを尋ねました(図4)。
「気になる」という回答の割合は、「(4)規則でそうなってございます」が最も高く81.5%、次いで「(8)こちらで待たれてください」が81.3%、「(7)お歩きやすい靴を御用意ください」が78.0%、「(6)お客様が参られています」が77.4%となっています。一方、「(1)先生は講義がお上手ですね」は32.4%、「(2)就職はもうお決まりになったのですか」は40.5%となっています。
過去の調査結果((1)(3)(7)は平成10年度、(2)(4)(5)(8)は11年度、(6)は12年度)と比較すると、「気になる」は、(1)~(8)の全てで増加傾向にあります。中でも、「(5)昼食はもう頂かれましたか」は14ポイント、「(2)就職はもうお決まりになったのですか」は10ポイント、「(4)規則でそうなってございます」は8ポイント、それぞれ「気になる」が増加しています。

いろいろな語に付く表現について
「~活」(「婚活」や「終活」など)、「~ハラ」(「パワハラ」や「モラハラ」など)などの、いろいろな語に付く表現を五つ挙げて、自分が使う(ことがあると思う)か、また、他人が言うのが気になるかをそれぞれ尋ねました(表1)。
「自分は使う(計)」という回答の割合は、(3)「~ハラ」(「パワハラ」や「モラハラ」など)が最も高く58.1%、次いで(1)「~活」(「婚活」や「終活」など)が54.4%となっています。一方、「自分は使わない(計)」は、(4)「ガン~」(「ガン見」や「ガン寝」など)が最も高く67.6%となっています。
(1)~(5)の全てで、「他人が言うのは気にならない(計)」は、「他人が言うのが気になる(計)」より高く、(4)「ガン~」(「ガン見」や「ガン寝」など)を除いて75%以上となっています。

慣用句等の意味・言い方について
例年尋ねている、慣用句などの言葉の意味・言い方についての問いの結果は表2と表3のとおりです。表中の太字は、辞書等で主に本来の意味・言い方とされてきた選択肢です。また、白抜きの数字は、辞書等で本来の意味・言い方とされてきた方を選択した割合より、そうでない方を選択した割合が5ポイント以上高いものです。
意味について(表2)は、「(1)手をこまねく」「(2)敷居が高い」「(3)浮足立つ」のいずれも、辞書等で本来の意味とされてきたものとは異なる方が多く選択されるという結果となっています。
また、言い方について(表3)は、辞書等で本来の言い方とされてきた(2)「(a)雪辱を果たす」を使う割合は、辞書等で本来の意味とされてきた方とは異なる「(b)雪辱を晴らす」を下回っています。
なお、文化庁では本調査を基にした慣用句等についての動画「ことば食堂へようこそ!」を公開しています。次のリンクから、こちらも是非御覧ください。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kokugo_shisaku/kotoba_shokudo/index.html

(注)百分比は各問いの回答者数を100%として算出し、小数点第2位を四捨五入して示しているため、百分比の合計が100%にならない場合があります。また、百分比の差を示す「ポイント」については、小数点第1位を四捨五入して示しました。


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