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初等中等教育の充実

文部科学省初等中等教育局

GIGAスクール構想の実現
我が国の150年に及ぶ教育実践と最先端のICTとのベストミックスを図ることで、これからの学校教育は変わっていきます。

1 ハード・ソフト・指導体制の一体的充実
文部科学省では、1人1台端末と高速大容量の通信ネットワークというハード面の整備に加えて、ソフト面、指導体制を一体とした教育改革に取り組んでまいります。
ICT活用の推進に当たっては、子供たちがICTを適切・安全に使いこなすことができるよう情報モラルなどの情報活用能力を育成していくことも重要です。また1人1台端末環境の整備と併せて、統合型校務支援システムをはじめとしたICTの導入・運用を加速していくことで、授業準備や成績処理等の負担軽減にも資するものであり、学校における働き方改革にもつながっていきます。
ハード面の円滑な導入のため、必要な経費を計上するだけでなく、各自治体が安価に学校ICT環境を整備し、現場の教職員がICTを活用できるよう、にすることが必要です。そのため、①各都道府県だけでなく、市長会など、あらゆる方面に対する説明会の実施、②調達改革に向けた環境整備の標準仕様の例示、③クラウド活用を前提としたセキュリティポリシーに関するガイドラインの公表、④内閣官房IT総合戦略室、総務省、経済産業省など、関係省庁の施策との連携、⑤民間企業等からの支援協力の募集などを行っています。
これらの施策を継続するとともに、GIGAスクールサポーターの配置支援も含め、各自治体がより学校ICT環境を整備しやすくなるよう、文部科学省として更なる施策を講じてまいります。
ソフト面の充実としては、デジタル教科書・教材など良質なデジタルコンテンツの活用を来年度から順次促進します。昨年12月に「教育の情報化に関する手引」を公表し、教科等ごとに、ICTを効果的に活用した学習活動の例を提示していますが、今後とも事例の収集・把握を行い、その普及に努めてまいります。そして先端技術を活用した実証を充実させ、今年度中を目途に「先端技術利活用ガイドライン」を策定します。これらの取組により、デジタルならではの学びの充実を図ってまいります。
指導体制の充実としては、各地域の指導者養成研修の実施、ICT環境整備の加速とその効果的な活用を一層促進するためのICT活用教育アドバイザーの活用、学校における教員のICT活用をサポートするためのICT支援員の活用促進といった取組を行うことで、日常的にICTを活用できる体制を整えてまいります。

2 学校休業時におけるICT活用
新型コロナウイルス感染症による学校の臨時休業などの緊急時においても、ICTを効果的に活用することで、子供たちと先生方が円滑にコミュニケーションを取ることができ、子供たちの学びを保障できるような環境を実現したいと考えています。
新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、文部科学省から全国の小、中、高等学校、特別支援学校、高等専修学校の設置者に対し、3月2日から春季休業の開始日までの間、全国一斉の学校臨時休業を要請しましたが、その間の取組として、ICTを効果的に活用し、きめ細やかな学習支援を行ったり、毎日の健康観察を行ったりした学校が見られました。
ただ、そうした取組が可能であったのは、既にICT活用が日常のものになっていた一部の学校に限られました。ICT環境が当たり前のものとなっていれば、休業中の児童生徒への学習支援・生活指導や心のケアの選択肢の幅が広がり、より効果的な指導・支援ができた可能性があります。
災害や感染症の発生等による学校の臨時休業等の緊急時においても、ICTを効果的に活用しながら、子供たちの学びを保障できるような取組を早急に進めていくことが必要です。
なお、文部科学省では、臨時休業期間中の取組事例をまとめた資料を公表しております。是非御参照ください。
(ICTを活用した取組事例:3月19日時点)
https://www.mext.go.jp/content/20200323-mxt_kouhou01-000006011_5.pdf
平成の時代、ICT端末は「学校にあったらいいな」というものでしたが、令和の時代には「マストアイテム」であり、「スタンダード」です。
誰一人取り残すことのない、公正に個別最適化された学びのため、また、どんな状況にあっても子供たちの学びを保障するためにICTは非常に大きな可能性のあるツールです。
文部科学省は、GIGAスクール構想の実現に向けて、学校・教育委員会だけでなく、各自治体の首長、調達・財政・情報担当部局など、関係者が一丸となって取り組んでいただけるよう、その声に耳を傾けながら、全力で支えてまいります。

情報教育の充実
令和2年4月より順次実施されている新しい学習指導要領においては、「情報活用能力」を言語能力などと同様に「学習の基盤となる資質・能力」と位置付け、各学校におけるカリキュラム・マネジメントを通じて、教育課程全体で育成するものとしています。
また、各学校において、コンピュータや情報通信ネットワークなどのICT環境を整備し、これらを適切に活用した学習活動の充実に配慮することとしています。
文部科学省では教育の情報化を一層進展させることを目指し、前述の「GIGAスクール構想の実現」により、学校ICT環境を抜本的に改善するとともに、教師による指導をはじめ、学校・教育委員会の具体的な取組に資するよう、教科等の指導におけるICT活用などを記載した「教育の情報化に関する手引」を令和元年12月に改訂・公表しているほか、教職員支援機構とも連携し、教員の資質能力の向上に資するよう校内研修等で活用できる動画(「学校におけるICTを活用した学習場面」 )を作成・公表しています。

新しい時代の初等中等教育の在り方の検討
Society 5.0時代の到来といった急激な社会的変化が進む中、子供たちが予測不可能な未来社会を自立的に生き、社会の形成に参画するための資質・能力を一層確実に育成することが求められており、それに対応し、学校教育も変化していかなければなりません。初等中等教育における様々な課題を踏まえ、今後の教育の在り方について総合的な検討をお願いするものとして、昨年4月に文部科学大臣から中央教育審議会に対し、「新しい時代の初等中等教育の在り方」について諮問がなされました。諮問の内容は、①新時代に対応した義務教育の在り方、②新時代に対応した高等学校教育の在り方、③増加する外国人児童生徒等への教育の在り方、④これからの時代に応じた教師の在り方や教育環境の整備等となっており、審議が進められています。
昨年12月には、中央教育審議会初等中等教育分科会において、これまでの審議を踏まえた論点取りまとめが行われました。この論点取りまとめでは、多様な子供たちを誰一人取り残すことのない、個別最適化された学びの実現や、全国津々浦々の学校における質の高い教育活動を実施可能とする環境整備に向け、これからの学びを支えるICTや先端技術の効果的な活用や、義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方などについて、方向性を示すとともに、今後検討すべき論点が提示されています。
引き続き、中央教育審議会において議論を進めていただくとともに、文部科学省としても、これらの検討も踏まえて必要な取組を進めてまいります。

学校における働き方改革の推進
文部科学省では、平成31年1月の中央教育審議会答申を踏まえ、教師のこれまでの働き方を見直し、自らの授業を磨くとともに、その人間性や創造性を高め、子供たちに対して効果的な教育活動を行うことができるようにするため、学校における働き方改革に取り組んでいます。
学校における働き方改革は、特効薬のない総力戦であり、予算、制度、学校・教育委員会における取組の総力戦を徹底して行い、その組合わせで成果を出していくことが必要です。文部科学省では文部科学大臣を本部長とする「学校における働き方改革推進本部」の下、着実に施策の展開を図っているところです。

1 給特法改正法の成立について
学校における働き方改革の取組を更に進めるための一つのきっかけとなるよう、文部科学省が平成31年1月に策定した「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン」を法的根拠のある「指針」に格上げする(令和2年4月1日施行)とともに、長期休業期間中の休日の「まとめ取り」のため、一年単位の変形労働時間制を各地方公共団体の判断により条例で選択的に活用できるようにする(令和3年4月1日施行)、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律(給特法改正法)が令和元年12月4日に成立し、同11日に公布されました。

2 勤務時間管理の徹底と学校・教師の業務の適正化等
働き方改革を進めていく上では、まず何よりも、客観的な勤務時間の把握が、必要不可欠です。労働安全衛生法等の改正により、それが公立学校を含む事業者の義務として法令上明確化され、「指針」においても、在校時間はできる限り客観的な方法により計測することとされています。
文部科学省としては、指針を踏まえた勤務時間管理の徹底、客観的な勤務実態の把握を前提にした教職員加配や外部人材等の配置等を通じて、令和2年度中に全国すべての学校において客観的な方法による勤務時間把握が行われることとなるよう、政策総動員で取り組んでいるところです。
また、学校における働き方改革のためには、教師でなければできないことに教師が集中できるよう業務の適正化を図っていく必要があり、答申において、「教師でなければできない業務とは何か」という視点から示された、これまで学校・教師が担ってきた代表的な14の業務の在り方に関する考え方も踏まえた業務の適正化に向けた取組が求められています。
特に、文部科学省には、学校と社会の連携の起点・つなぎ役としての役割を前面に立って果たすことが求められており、大臣メッセージの発信や、プロモーション動画の作成などに取り組んできました。
各教育委員会には、各地域で発生する業務について誰が担うべきかの仕分けや学校・家庭・地域の連携・協働体制の構築等が、各学校には、校長による業務の大胆な削減等が求められています。
さらに、教師が心身ともに健康で教育に携われるよう、労働安全衛生体制整備等や、学校の重要なリソースである「時間」をどのように配分するのかという学校マネジメントの観点から、学校の組織体制の在り方の見直しも求められています。

3 改革サイクルの確立
また、学校における働き方改革が各教育委員会や学校において自走していく仕組みが重要です。
そのためにも、働き方改革の進捗状況を明確にし、市区町村別の公表等や好事例の展開を通じて、働き方改革の取組を促進するため、「教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査」の結果を公表(令和元年12月)しました。本調査結果では、勤務実態の客観的な方法での把握について、都道府県は66.0%、政令市は75.0%まで伸びた一方で、市区町村では47.4%にとどまっている状況や、働き方改革を進めるための多くの具体の取組を行っている自治体もある一方で、なかなか取組が進まないところもある状況が見られました。
また、好事例を広く展開し、教育委員会や学校における実践につなげるため、フォーラムの開催(令和2年1月)、取組事例集の公表(令和2年2月)などの取組も進めてきました。
今後も情報の継続的な発信、進捗状況等のフォローアップ、好事例の横展開などにより、教育委員会や各学校における積極的な取組が着実に進むよう働き方改革の自走サイクルを構築していきます。

4 学校における条件整備
学校における働き方改革が実効性あるものとするためには、教育条件の整備も重要であり、令和2年度予算において教職員定数の改善や専門スタッフ・外部人材の活用、などに必要な予算を計上しています。(※次節参照)

5 更なる検討
学校における働き方改革の観点も踏まえつつ、平成31年4月から、中央教育審議会において、新しい時代を見据えた学校教育の実現に向けて、教育課程、教員免許、教職員配置の一体的検討が行われています。また、学校における働き方改革にも資する、部活動改革に向けた具体的検討も、文部科学省において進めているところです。
こうした検討も含め、まずは令和4年度に改めて教師の勤務実態調査を実施するまでの間を「働き方改革集中期間」として位置づけ、学校における働き方改革の一層の加速化を図ることとしています。その成果を社会に示しつつ、同勤務実態調査の結果などを踏まえながら、教師に関する勤務環境について、いわゆる給特法などの法制的な枠組みを含めた検討をすること等、文部科学省として引き続き、学校における働き方改革の推進にしっかりと取り組んでまいります。

「次世代の学校」創生のための指導体制の強化
◇2020年度予算(学習指導要領の円滑な実施と学校における働き方改革のための指導・運営体制の構築)
1 教職員定数について
2020年度予算においては、新学習指導要領の円滑な実施と学校における働き方改革を目指し、学校における指導・運営体制の効果的な強化・充実を図るため、必要な教職員定数の改善を盛り込んでいます。具体的には、2020年度からの新学習指導要領における小学校外国語教育の実施に伴い、質の高い教育を行う専科指導教員の充実や小学校教師の持ち授業時数を軽減し、より専門性の高い専科指導に積極的に取り組む学校への支援、中学校における生徒指導や支援体制の強化に必要な教員の充実、など学校における働き方改革のための定数改善のほか、平成29年の義務標準法改正による基礎定数化関連の着実な改善や貧困等に起因する学力課題解消、子供が切磋琢磨できる学習環境の整備など複雑化・困難化する教育課題への対応に必要な定数改善、合計3,726人(振替2,000人を除く改善数は1,726人)を計上しています。
このほか、東日本大震災により被災した児童生徒に対する心のケアや学習支援のために必要な加配定数を引き続き2020年度予算の復興特別会計に計上しています。

2 多彩なサポートスタッフの配置について
「チームとしての学校」の理念を踏まえ、教師と多様な人材の連携により、「学校教育活動の充実」と「働き方改革」を実現するため、退職教職員や教員志望の大学生など多彩な人材がサポートスタッフとして学校の教育活動に参画する取組を支援する「補習等のための指導員等派遣事業」を継続して行っており、①児童生徒一人一人にあったきめ細かな対応を実現するための「学力向上を目的とした学校教育活動支援」をはじめ、②教師がより児童生徒への指導や教材研究等に注力できる体制を整備し、教師の負担軽減を図るための「スクール・サポート・スタッフ」や③適切な練習時間や休養日の設定など部活動の適正化を進めている教育委員会を対象にした「中学校における部活動指導員」について、対前年度2,500人増の22,800人の配置に必要な経費62億円を予算に計上し、学校全体として指導体制を充実することとしています。

新しい学習指導要領について
1 新しい学習指導要領の全面実施について
激しく変化するこれからの社会において、子供たちがしっかりと未来を切り拓くために必要な力を育むことを目指し、文部科学省では平成29・30年に学習指導要領を改訂しました。新しい学習指導要領は、今年度4月より、小学校において全面実施されます。(中学校は来年度から全面実施、高等学校は令和4年度入学生から年次進行で実施、特別支援学校は小・中・高等学校学習指導要領に合わせて実施されます。)
学習指導要領とは、全国どこの学校でも一定の教育水準が保てるよう、文部科学省が定めている教育課程(カリキュラム)の基準です。時代の変化などに合わせておよそ10年に一度改訂しており、子供たちが学校で学ぶ教科書や時間割は、これを基に作られています。
新しい学習指導要領は、従来の学習指導要領で掲げられてきた子供たちの「生きる力」を育むという目標は引き続き大切にしながら、これからの時代において子供たちに必要となる力を確実に育むことを目指しています。
新しい学習指導要領では、「何を学ぶか」だけでなく、「何ができるようになるか」、「どのように学ぶか」も重視して改善を図っています。
「何ができるようになるか」の点では、全ての教科等において、育成を目指す力を「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」の三つの柱で整理しました。社会に出てからも学校で学んだことを生かせるよう、子供たちの力をバランスよく育みます。
そうした力をしっかりと育んでいくため、「どのように学ぶか」の点で、「主体的・対話的で深い学び」(いわゆる「アクティブ・ラーニング」)の視点から、授業を改善していくことを目指します。一つ一つの知識がつながり、「わかった!」、「面白い!」と思える授業、周りの人たちとともに考え、学び、新しい発見や豊かな発想が生まれる授業などを目指していくことで、子供たちの力を確実に育みます。
また、各学校において「カリキュラム・マネジメント」を確立し、教育活動の質を向上させ、学習の効果の最大化を図ります。
「何を学ぶか」の点でも、新しい時代を見据えて、下の図にあるような内容を重視しています(外国語教育について詳しくは後述)。
子供たちの「生きる力」を確実に育むためには、新しい学習指導要領の趣旨・内容を多くの方々と共有することが大切です。
保護者や地域の皆様のお力添えをいただきながら、学校教育がこれからも子供たちの「生きる力」を確実に育んでいけるよう、子供たちの学びを社会全体で応援していきたいと考えています。
新しい学習指導要領に関するより詳しい情報は、「学習指導要領ウェブサイト」(http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/index.htm)を御覧ください。

2 小・中・高等学校を通じた外国語教育の強化
社会のグローバル化が進展する中で、外国語によるコミュニケーション能力は、これまでのように一部の業種や職種だけではなく、生涯にわたる様々な場面で必要とされることが想定されます。そのため、初等中等教育段階から外国語によるコミュニケーション能力を育成することが重要です。
令和2年度には小学校の新しい学習指導要領が全面実施となり、中学年の外国語活動で音声に十分慣れ親しんだ上で、高学年の外国語科で段階的に読むこと・書くことを学んでいきます。自分の考えや気持ちを伝え合う言語活動を通してコミュニケーションの基礎となる資質・能力を育成します。また、令和3年度から全面実施となる中学校では、対話的な言語活動を重視し、授業は外国語で行うことが基本となります。令和4年度から年次進行で実施される高等学校では、五つの領域を総合的に扱う科目群や、ディベートやディスカッション等を通して発信能力を高める科目群を設定しています。
文部科学省では、こうした新しい学習指導要領の全面実施へ向け、外国語活動に対応した新教材・教師用指導書・デジタル教材の配布、中学校新学習指導要領に対応した新教材の配布、小・中・高等学校の授業実践例や学習指導要領改訂のポイントをまとめた有識者等へのインタビュー動画の作成など、授業改善に向けた支援を行っています。いずれも文部科学省の外国語教育ホームページからアクセスできるので、是非御活用ください。

「外国語教育はこう変わる!YouTube 文部科学省 mextchannel」
(https://www.youtube.com/playlist?list=PLGpGsGZ3lmbCsze5PvMhQ1TS-jXEZKA4f)
「外国語教育ホームページ」
(https://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/index.htm)
YouTube “mextchannel”
外国語教育ホームページ

また、オンラインを活用した教師の指導力向上や、小学校における専科指導の充実、外国語指導助手(JET-ALT)に対する地方財政措置、英語が堪能な地域人材の活用促進など、全国の教育委員会等と連携しながら必要な環境の整備に努めてまいります。

初等中等教育段階における教育費負担軽減
「人生100年時代」を迎え、教育の無償化・負担軽減を進めることにより、誰もが、家庭の経済事情に左右されることなく、希望する質の高い教育を受けられることは、教育政策としてはもとより、少子化対策の観点からも極めて重要です。
幼児教育段階については、令和元年5月10日に子ども・子育て支援法の一部を改正する法律が第198回通常国会において成立し、同法に基づき、同年10月1日より幼児教育・保育の無償化が実施されています。
幼児教育・保育の無償化では、3歳から5歳までの子供たちの幼稚園、保育所、認定こども園等の費用を無償化するとともに、子ども・子育て支援新制度の対象とならない幼稚園については、月額2.57万円(国立大学附属幼稚園については、0.87万円、国立特別支援学校幼稚部については、0.04万円)までを上限として無償化することとしています。また、保育の必要性のある子供については、幼稚園の預かり保育についても利用実績に応じて月額1.13万円までの範囲で無償化されます。

高等学校段階については、令和2年4月から、私立高校等に通う年収590万円未満世帯の生徒等を対象に、私立高等学校授業料の実質無償化を実現します。
加えて、令和2年度からは、高等学校等の専攻科に通う低所得世帯の生徒に対しても、都道府県への補助事業として、新たな修学支援を実施しています。
さらに、低所得世帯の授業料以外の教育費を支援する「高校生等奨学給付金」について、令和2年度において非課税世帯の給付額を増額するなど、更なる制度の充実を図っています。
また、義務教育段階においては、経済的理由により小中学校への就学が困難と認められる学齢児童生徒の保護者に対して、学用品の給与などの援助を行う就学援助を実施し、教育費の負担軽減に取り組んでいます。令和2年度には中学校の「新入学児童生徒学用品費等」の予算単価を引き上げるなど、更なる制度の充実を図っています。
なお、被災により経済的理由から就学等が困難となった幼児児童生徒の就学支援等については、「被災児童生徒就学支援等事業」を実施しており、令和2年度予算においては、大規模災害対応分に従来の熊本地震・平成30年7月豪雨・北海道胆振東部地震のほか、令和元年台風第19号を対象に加え、必要な額を計上しています。(2020年度予算 東日本大震災対応分:3,020百万円(復興特別会計)、大規模災害対応分:911百万円)

高等学校教育改革
高等学校への進学率は、約99%まで上昇するなど、今日では高等学校は中学校を卒業したほぼ全ての子供たちが進学する教育機関として、極めて重要な役割を果たしています。特に、選挙権年齢や成年年齢が18歳に引き下げられる等の状況を踏まえると、高等学校においては、社会の中で自立し、他者と連携・協働しながら社会を生き抜く力を育成していくことが一層求められます。
一方、高校生の能力、適正、興味・関心、進路等が多様化する中、高等学校が対応すべき教育上の課題は複雑化しています。また、今日の高等学校を取り巻く我が国の状況を見ると、人口減少を伴う少子高齢化や、就業構造の急速な変化、グローバル化、人工知能・IoTの技術革新の急速な進展によるSociety 5.0の到来など、大きな社会変化が予測されています。
こうした状況の中、これからの高等学校には、Society 5.0を生き抜くための力や能動的に学ぶ姿勢を共通的に身に付けさせるとともに、将来、世界を牽引する研究者や幅広い分野で新しい価値を提供できる人材、地域への課題意識や貢献意識を持ち、地域を分厚く支える人材を育成していくことが求められています。

1 Society 5.0に向けたリーディングプロジェクトの実施
Society 5.0に向けたリーディングプロジェクトとして、令和元年度より、
・高等学校等と国内外の大学、企業、国際機関等が協働し、高校生国際会議の開催、大学教育の先取り履修など、高校生へ高度な学びを提供する「アドバンスト・ラーニング・ネットワーク」を形成した拠点校を全国に配置し、WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアムを構築し、イノベーティブでグローバルな人材育成を目的とする事業
・高等学校と自治体、高等教育機関、産業界等が協働してコンソーシアムを構築し、地域課題の解決等の探究的な学びを通じて、未来を切り拓くために必要な資質・能力を身に付けるとともに,地域への課題意識や貢献意識をもち,将来,地域で地域ならではの新しい価値を創造し,新たな時代を地域から分厚く支える人材の育成に資する教育課程等の改善のための実証的資料を得ることを目的とする事業
を実施しています。
これらの取組を通じ、高等学校教育改革を推進してまいります。

2 「高校生のための学びの基礎診断」
令和元年度から、「高校生に求められる基礎学力の確実な習得」と「学習意欲の喚起」を図るため、「高校生のための学びの基礎診断」の本格的な利活用を開始しました。
高等学校における多様な学習成果や課題を把握するツールの一つとして、生徒自身の学習改善や教師による指導の工夫・充実などに活用されることにより、高校生の基礎学力の定着に向けたPDCAサイクルの取組を促進します。

3 教育再生実行会議及び中央教育審議会における検討
さらに、総理の下で開催される教育再生実行会議において、高等学校教育について検討が行われ、令和元年5月17日に第十一次提言が取りまとめられました。第十一次提言では、約7割の生徒が通う普通科について、学習の方向性に基づいた類型の枠組みを示すことや、文系・理系科目をバランス良く学ぶ仕組みの構築等を含め、高校教育全般の改革について、提言されています。また、平成31年4月17日に中央教育審議会に新時代に対応した高等学校教育の在り方を含む「新しい時代の初等中等教育の在り方について」諮問が行われました。今後、教育再生実行会議の提言等も踏まえつつ、生徒の学習意欲を喚起し能力を最大限伸ばすための普通科改革など学科の在り方や、文系・理系にかかわらず様々な科目を学ぶことなどについて専門的・実務的に検討が進められています。
文部科学省においても、提言を踏まえ、新しい時代に対応した高等学校教育改革に取り組んでまいります。

公立小・中学校の適正規模・適正配置等
今後、少子化等の更なる進展による学校の小規模化に伴い、児童生徒が集団の中で切磋琢磨しながら学んだり、社会性を高めたりすることが難しくなる等の課題の顕在化が懸念されており、公立小・中学校の設置者である市町村においては、教育的な視点からこうした課題の解消を図っていく必要があります。
その際、参考となるよう、基本的な方向性や考慮すべき要素、留意点等に加え、全国の教育委員会や学校現場の優れた取組事例や近年の政策動向等を踏まえつつ、少子化に対応した活力ある学校づくりに関わる具体的な工夫やアイデアの例を盛り込んだ「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引」を作成し、文部科学省のウェブサイトで公表するとともに、教育委員会の担当者が集まる会議等で周知しているところです。
地域コミュニティの核としての学校の機能を重視する観点からは、①学校統合により魅力ある学校づくりを行い、地域の活性化を図ることを選択する場合や、②地域の総力を挙げ、創意工夫をいかして小規模校のメリットの最大化やデメリットの克服を図りつつ、学校の存続を選択する場合等の複数の選択があると考えられ、市町村のいずれの選択も尊重されるべきものです。
文部科学省としては、各市町村が学校の小規模化に伴う諸課題に正面から向き合い、保護者や地域住民とともに課題を精緻に分析して、その結果の共有を行った上で、それぞれの地域の子供たちを健やかに育んでいくための「最善の選択」につなげていただきたいと考えています。
また、公立小学校・中学校の設置の在り方を最終的に判断するのは学校の設置者である市町村ですが、広域の教育行政を担う各都道府県においても、域内全体の学校教育の充実発展に責任を持つ立場から、市町村のニーズや実情を踏まえ、適切な指導・助言・援助を行うことが期待されるところです。

幼児教育の振興
平成30年度から実施されている「幼稚園教育要領」では、幼稚園教育において育みたい資質・能力の明確化や小学校教育との接続の推進に関する内容の充実を図っています。
また、「幼児教育実践の質向上総合プラン」として、幼児教育アドバイザーの配置・育成など地方公共団体における幼児教育の推進体制の充実・活用強化、幼稚園教諭の専門性向上に向けた免許上進の推進、幼稚園等における人材確保の取組や教育課題に対応した指導の在り方に関する調査研究などに係る経費を、令和2年度予算に計上しました。
「子ども・子育て支援新制度」は、消費税財源を活用して、「量」と「質」の両面から子供の育ち、子育てを支えており、新制度移行後も、幼稚園教諭等の処遇改善を進めております。新制度施行後5年の見直しでは、幼稚園・認定こども園の公定価格における自園調理への支援や、公開保育と学校関係者評価の一体的な取組の実施促進、幼小連携の取組の促進などを行ったところです。

特別支援教育の推進
我が国では、平成26年1月に批准した「障害者の権利に関する条約」等を踏まえ、障害のある子供について、その能力や可能性を最大限に伸ばし、自立と社会参加に必要な力を培うため、一人一人の教育的ニーズに最も的確に応える指導や支援を行うことができるよう、特別支援学校、小学校・中学校の特別支援学級、通級による指導、通常の学級といった多様な学びの場の整備や、教師の専門性の向上、障害のある子供に対する合理的配慮の提供の促進などに精力的に取り組んでいます。
現在、特別支援学校や小学校・中学校の特別支援学級、通級による指導(大部分の授業を通常の学級で受けながら、一部の授業について障害に基づく種々の困難の改善・克服に必要な特別の指導を特別な場で受ける指導形態)においては、特別の教育課程や少人数の学級編制の下、特別な配慮により作成された教科書、専門的な知識・経験のある教職員、障害に配慮した施設・設備等を活用して指導が行われています。
特別支援教育の現状としては、令和元年5月1日現在、特別支援学校及び小学校・中学校の特別支援学級の在籍者並びに通級による指導を受けている幼児児童生徒の総数は約56万人となっており、増加傾向にあります。このうち義務教育段階の児童生徒については、約48万6000人で、これは全体の約5.0%に当たります。
平成30年度から、高等学校段階における通級による指導が開始されました。平成30年度は45都道府県において実施、令和元年度からは全都道府県において実施されています。
また、文部科学省では、平成29年4月に特別支援学校幼稚部教育要領、小学部・中学部学習指導要領、平成31年2月に特別支援学校高等部学習指導要領の改訂を行い、①重複障害者である子供や知的障害者である子供の学びの連続性、②障害の特性等に応じた指導上の配慮の充実、③キャリア教育の充実や生涯学習への意欲向上など自立と社会参加に向けた教育等を充実させました。(令和2年度から小学部が全面実施)
さらに、障害のある子供やその保護者が、乳幼児期から学齢期、社会参加に至るまで、地域で切れ目なく支援が受けられるよう、関係機関の連携の促進を図る取組を進めています。教育と福祉の連携については、文部科学省と厚生労働省の両省連携による、家庭と教育と福祉の連携「トライアングル」プロジェクトにおいて、平成30年3月に報告書を取りまとめ、各自治体の積極的な取組を促しています。文部科学省では、各自治体の福祉サービス等の情報を掲載する保護者向けハンドブックのひな型を作成したり、学校教育法施行規則を改正し、個別の教育支援計画について規定したりするなどの取組を行っています。
加えて、医療や福祉との連携の推進、障害者の権利に係る国際的な議論の動向等を踏まえつつ、特別支援教育の現状と課題を整理し、一人一人のニーズに対応した新しい時代の特別支援教育の在り方や、その充実のための方策等について検討を行うために、令和元年9月6日に「新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議」を設置し議論を進めています。
こうした取組を通じて、障害のある児童生徒が、障害の状態に応じた十分な教育を受けることができるよう、引き続き、切れ目ない支援体制を構築するなど、特別支援教育の充実を進めています。

より良い教科書のために
教科書は、学校における教科の主たる教材として、児童生徒が学習を進める上で重要な役割を果たすものです。教育の機会均等を実質的に保障し、全国的な教育水準の維持向上を図るため、小・中・高等学校、特別支援学校等においては、文部科学省検定済教科書又は文部科学省著作教科書を使用しなければならないこととされています。

1 教科書検定
教科書検定は、民間の発行者の創意工夫による多様な教科書の発行を期待するとともに、①全国的な教育水準の維持向上、②教育の機会均等の保障、③適正な教育内容の維持、④教育の中立性の確保などの要請に応えるため実施しているものです。
令和2年度には、主に、平成30年に公示された新学習指導要領に基づく高等学校(主として低学年)用の教科書検定を行うこととしています。

2 教科書採択
教科書採択は、児童生徒が学校の授業や家庭における学習活動において用いる教科書を決定する重要な行為です。平成27年度及び平成28年度に、複数の教科書発行者による、採択の公正性・透明性に疑念を生じさせかねない事案が相次いで発覚したことを受けて、文部科学省は、教科書採択の公正性・透明性がしっかりと確保されるよう取り組んでいます。
令和2年度には、新学習指導要領に基づく中学校用教科書の初めての採択が行われる予定です。

3 教科書無償給与・教科用特定図書
文部科学省では、憲法第26条に掲げる義務教育無償の精神をより広く実現する施策として教科書無償給与制度を実施するとともに、障害のある児童及び生徒が検定済教科書等に代えて使用する拡大教科書や、通常の検定済教科書では文字等の認識が困難な発達障害児等の児童生徒向けの音声教材など、教科用特定図書等について、その普及を図っています。具体的には、拡大教科書の標準的な規格を定めるなど、教科書発行者による拡大教科書の発行を促しているほか、全国5ブロックで、都道府県教育委員会等を対象とした音声教材の普及促進のための会議を開催するとともに、その整備充実を図るため、ボランティア団体の協力等を得ながら、調査研究などを行っています。

4 学習者用デジタル教科書
平成31年4月から、紙の教科書を主たる教材として使用することを基本としつつ、文部科学大臣の定める範囲で、紙の教科書に代えて学習者用デジタル教科書を使用することができるようになりました。あわせて、文部科学省では、その効果的な活用の在り方等に関するガイドラインや実践事例集を公表するなど、学習者用デジタル教科書の円滑な導入に取り組むとともに、デジタル教科書の効果・影響等に関する実証研究を行っているところです。

いじめ対策、不登校児童生徒への支援
いじめは決して許されないことですが、どの学校でもどの子供にも起こり得るものです。いじめの問題については、まず、「いじめは絶対に許されない」との意識を日本全体で共有し、子供を「加害者にも、被害者にも、傍観者にもしない」教育を実現することが必要です。そして、いじめの問題に対しては、全ての関係者が、その兆候をいち早く把握し、迅速に対応する必要があり、いじめの問題を隠さず、学校・教育委員会と家庭・地域が連携して対処していくことが重要です。
文部科学省では、これまでも、いじめ防止対策推進法や国のいじめ防止基本方針等に基づく対応が徹底されるよう、学校や教育委員会等に対する指導・助言や研修会の実施、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置等による教育相談体制の充実などの取組を進めてきました。また平成29年に、基本方針の改定及び「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」の策定を行いました。
さらに、文部科学省では、夜間・休日を含め24時間いつでも子供のSOSを受け止めることができるよう、通話料無料の「24時間子供SOSダイヤル」を整備しています。一方、近年、若年層の多くが、SNSを主なコミュニケーション手段として用いているとともに、SNS上のいじめへの対応も大きな課題となっています。こうした状況を受け、文部科学省では、平成29年に有識者会議を立ち上げ、いじめを含む様々な悩みに関する児童生徒の相談に関して、SNS等を活用する利点・課題等について検討を行い、平成30年3月、「SNS等を活用した相談体制の構築に関する当面の考え方(最終報告)」を取りまとめました。また、平成30年から地方公共団体に対し、SNS等を活用した児童生徒向けの相談体制の構築を支援しており、令和元年度からは新たにSNS等を活用した相談体制の在り方に関する調査研究を実施しています。
また、不登校は、取り巻く環境によっては、どの児童生徒にも起こり得るものとして捉え、不登校というだけで「問題行動」と判断することなく、個々の状況に応じた支援を行うことが必要です。
こうした認識の下、平成28年12月に「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」が成立したことを受け、教育の機会の確保等に関する施策を総合的に推進するための基本指針を定めるなど、文部科学省として不登校児童生徒への支援体制の充実を図っており、平成29年度から3年間にわたって、教育支援センターの設置促進やフリースクールなど民間団体との連携による支援を推進するため、学校以外の場における教育機会の確保等に関する調査研究等を実施してきました。
さらに、こうした調査研究の成果等も踏まえ、自治体や民間団体等が行う学校以外の場における不登校児童生徒に対する支援体制の整備を一層推進するため、令和2年度からは新たに補助事業として、「不登校児童生徒に対する支援推進事業」を実施することとしています。
引き続き、個々の不登校児童生徒の状況に応じた必要な支援の推進を図ってまいります。

夜間中学の設置・充実
夜間中学は、義務教育未修了者のほか、不登校などにより十分な教育を受けられないまま中学校を卒業した者(入学希望既卒者)や、本国又は我が国において義務教育を修了できなかった外国籍の者などの、義務教育を受ける機会を実質的に保障するための様々な役割が期待されています。
本年4月に新たに開校した1校を含めて、夜間中学は全国10都府県28市区に34校が設置されています。
文部科学省では、平成28年12月に成立した「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(以下「法」という。)」第7条に基づき策定した基本指針において、全ての都道府県に少なくとも一つは夜間中学が設置されるよう促進するとともに、既存の夜間中学における多様な生徒の受入れ拡大を図ること等を目標に掲げて、様々な取組を行っているところです。
平成22年の国勢調査の結果からも全国に未就学者が存在することは明らかであるとともに、増加する不登校児童生徒や義務教育を修了できなかった外国籍の方等のニーズがあると考えられます。未設置の自治体においては、法の趣旨を踏まえ、令和2年度政府予算を活用するなどし、夜間中学の設置に向けた検討を進めることが望まれます。
また、文部科学省においては、平成30年度から「夜間中学における日本語指導研修会」を開催するなどして、既存の夜間中学の教育活動の充実にも取り組んでいるところです。
平成30年6月に閣議決定された「第3期教育振興基本計画」においては、初めて「夜間中学の設置・充実」に関する項立てがなされたほか、同年12月に関係閣僚会議が取りまとめた「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」には、「全ての都道府県における夜間中学の設置促進等」が盛り込まれました。さらに、令和元年11月29日に閣議決定された「子供の貧困対策に関する大綱」においては「全ての指定都市における夜間中学の設置促進等」が盛り込まれるなど、今後も政府として、夜間中学の設置促進・充実に係る取組を実施してまいります。
夜間中学未設置の自治体に在住の潜在的入学希望者(当事者)御自身に加えて、その家族や友人(支援者)、潜在的入学希望者をサポートしている福祉関係者や外国人支援者(応援者)などは、お住まいの教育委員会にお問合せ、御相談ください。

学校健康教育の充実
学校健康教育は、学校保健、学校安全、食育・学校給食に関する取組を充実することにより、子供の心身の健やかな育成を図るものです。このうち、朝食欠食の増加等の食生活の乱れや、アレルギー疾患等の現代的な健康課題が顕在化しており、文部科学省では、このような現状も踏まえ、各施策に取り組むこととしています。(学校安全に関する施策についてはP35「学校安全の確保」参照)

1 学校保健の推進
近年、アレルギー疾患やメンタルヘルスに関する問題等、子供の健康課題が多様化・複雑化していることから、学校保健に関する学校内の体制整備を促進するとともに、地域の医療機関等の専門性を取り入れるなど地域と一体となった学校保健を推進することが重要となっています。
文部科学省では、地域の医療機関等との連携による学校保健の課題解決に向けた取組を支援するとともに、「第3期がん対策推進基本計画」(平成29年10月閣議決定、平成30年3月一部変更)を踏まえ、各地域の実情に応じたがん教育総合支援事業を展開しています。
また、経験の浅い養護教諭の配置校等で指導助言を行うスクールヘルスリーダーを学校へ派遣する取組を行うとともに、アレルギー疾患やメンタルヘルス等の現代的な健康課題に関する教職員向け研修会等を開催するなど、教職員の学校保健に関する資質向上を図っています。
さらに、「第五次薬物乱用防止五か年戦略」を受け、薬物乱用防止教室の開催を推進するとともに、薬物乱用防止に関する効果的な指導の方法や内容の検討・実施の支援を行うなど薬物乱用防止教育の充実強化を図っています。

2 学校における食育・学校給食の推進
子供が食に関する正しい知識や望ましい食習慣を習得するとともに、適切な判断力を養い、主体的に自他の健康な食生活を実現できるようになることなどを目指し、各学校においては、学校給食法や学習指導要領等に沿って、各教科等、学校の教育活動全体を通じて食に関する指導が行われています。
また、近年、家族や生活の状況が変化する中で、様々な環境にある子供たちの健全な心身の育成や一人一人の健康寿命の延伸に向け、食育の観点からも積極的な取組が必要になっていることを踏まえ、文部科学省では、令和2年度において「学校給食・食育総合推進事業」を以下のとおり実施します。

【社会的課題に対応するための学校給食の活用事業】(事業Ⅰ)
食品の生産・加工・流通等の関係者と連携し、学校給食を通して、食品ロスの削減、地産地消の推進、伝統的食文化の継承などの社会的課題の解決に資することを目的とした研究事業

【つながる食育推進事業】(事業Ⅱ)
栄養教諭を中核としつつ、家庭、地域、大学等の関係者の連携により、子供の食に関する自己管理能力の育成することを目的とした研究事業

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