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スーパーコンピュータ「富岳」のプロトタイプがGreen500で1位を獲得
~世界トップの省エネ性能を実証~

文部科学省研究振興局参事官(情報担当)付計算科学技術推進室

平成26年度よりスーパーコンピュータ「京」の後継機として開発を実施してきた、スーパーコンピュータ「富岳」のプロトタイプ(試作機)が、スーパーコンピュータの消費電力性能を示すランキングであるGreen500において、世界1位を獲得しました。

スーパーコンピュータ等の情報基盤技術は、全ての人とモノがつながり、今までにない新たな価値を生み出す超スマート社会の実現を目指すSociety5.0において、シミュレーションによる社会的課題の解決や人工知能開発、情報の流通・処理に関する技術開発を加速するために、必要不可欠な技術です。また、ビッグデータ解析やAIといった大規模データを用いた科学的手法(データ科学)は理論、実験・観測、シミュレーションに次ぐ「第4の科学」と呼ばれ、近年ではデータ科学と計算科学(シミュレーション)との融合・連携が注目されています。

文部科学省では、今年8月で運用終了したスーパーコンピュータ「京」の後継機であるスーパーコンピュータ「富岳」の開発を、令和3年度の運用開始を目指し推進しています。「富岳」は「京」の最大100倍のアプリケーション実効性能、世界最高水準の汎用性そして高い電力効率を目標に開発されており、防災・減災、創薬の他、人工知能やデータ科学等様々な分野での活用を想定しています。例えば、「京」よりも大規模かつ高精度なシミュレーションにより、薬剤候補物質の生体内での反応をより詳細に解明することで、効果的・効率的な創薬を実現することや、複数の地震を想定した災害予測、都市全体の複合災害の予測などによる、合理的な防災計画の立案への貢献などが期待されています。

今回、「富岳」のプロトタイプ(試作機)が、米国で開催されたハイ・パフォーマンス・コンピューティング(HPC)に関する国際学会・展示会である「SC19」において、スーパーコンピュータの消費電力性能を示すランキング(Green500)において、世界1位を獲得しました。Green500は、少ない消費電力で効率的に計算できた順にスーパーコンピュータをランク付けしたものです。
Green500で世界1位を獲得した試作機は、「富岳」の開発企業である富士通株式会社(以下、「富士通」)が製造し、沼津工場(所在地:静岡県沼津市)に設置したものです。本システムは、「富岳」に使用する予定の富士通が開発したCPU(中央処理装置)「A64FX」を768個搭載しています。
「富岳」プロトタイプの性能は、消費電力1ワットあたりの性能で16.876ギガ回の計算性能を達成し、「富岳」の開発技術が世界トップの消費電力性能を有することを実証しました(1ギガは10の9乗)。
今回の受賞を通じ、現在製造中である「富岳」でも高レベルの省エネ性能が達成されることが期待されています。
文部科学省としては、「富岳」がSociety5.0を支える重要な研究基盤であり、日本の高い技術力のシンボルとして、国内の大学や産業界などに広く利活用されるとともに、国際的にもその成果が発信されることを期待して、「富岳」の製造を着実に行うとともに、成果を早期に創出できるよう、取り組んでまいります。

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