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理化学研究所 外部法人設立、産学連携強化へ
~国立研究開発法人によるイノベーション創出加速への新たな一歩~

文部科学省 科学技術・学術政策局企画評価課 評価・研究開発法人支援室
研究振興局基礎研究振興課

理化学研究所(理研)は、「科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律」の成立を踏まえ、研究開発法人として初めて、法人の研究成果の活用促進を行う株式会社「理研鼎業」を設立しました。
日本の科学技術・イノベーション創出に向けた新たな一歩として、今後の試みが期待されます。

理研による外部法人への出資認可に至る背景・経緯
平成30年12月、「科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律」(以下「科技イノベ活性化法」という。)が成立しました。その結果、研究開発成果の実用化やイノベーションの創出を一層促進するため、研究開発法人による出資等業務が拡大されました。具体的には、①出資可能法人が3法人から22法人に拡大、②研究開発法人が出資可能な対象に、従来の研究開発法人発ベンチャーに加え、これらベンチャーに資金供給を行うベンチャーキャピタル、研究開発成果の移転・活用促進を行う成果活用等支援法人が追加されました。
科技イノベ活性化法の成立を踏まえ、本年5月に理研から、今回出資が可能となった成果活用等支援法人への出資の認可申請がありました。これを受け、当省で定めた認可基準に沿って、有識者の助言を踏まえて審査を行ったのち、本年9月2日付けで本申請を認可しました。

産業界との更なる連携深化に向けて
理研は大正6年に創立された日本唯一の自然科学分野における総合研究所です。理研は基礎科学の分野で様々な研究成果を挙げていますが、こうした成果は、産業界でもしっかりと活かされてきています。産業界との連携センター制度や、理研産業共創プログラム制度により、民間企業との包括的な連携体制をサポートし、更に共同研究以外にも、理研の研究成果を中核技術として起業した企業を理研ベンチャーとして認定することで、研究成果の実用化を促進しています。

理研からの出資による外部法人「理研鼎業」の設立
理研は平成30年度から令和6年度までの第4期中長期計画において、産業界との共創機能の強化と研究成果の活用を支援する法人への出資を含めた関係機関との連携強化等により研究成果の社会還元を推進することを掲げています。この計画の実現に向け、理研は、
○基礎研究の成果をいち早く社会的価値へと還元していくこと
○産業界との「組織」対「組織」の連携を促進していくこと
○多様な収入源の確保による財務基盤の強化及び新たな研究資金を確保すること
等を強力に推進するため、株式会社理研鼎業を本年9月5日に設立しました。

理研鼎業の使命
社名に使用されている「鼎(かなえ・てい)」は、古代中国において金属製の3本脚の器・祭器を意味しましたが、理研鼎業は、「経営」・「技術」・「社会貢献」の3基軸により、イノベーション創出に貢献することを使命としています。この実現に向けて、理研鼎業は
①理研研究者による発明の相談や市場調査を含めた知財発掘・権利化の遂行、企業に対する知財ライセンス営業・契約交渉といったライセンス活動
②ベンチャー企業の設立に向けた事業アイデアの創出や、事業計画策定、資金調達などの支援をするベンチャー支援活動
③理研と企業間での共同研究の提案・交渉・成約活動の他、共同研究のコーディネートなどを行う共同研究促進活動
④企業に対し理研の研究成果や知財情報、研究者の紹介・提供を通じたコンサル活動や産業界も参加するプラットフォームを形成する共創活動
をこれまでにない形で相乗的かつ強力に進めていこうとしています。
今後、理研が、特定国立研究開発法人として研究成果に基づくイノベーション創出のモデルを示していくことに加え、理研鼎業との緊密な連携の下、研究成果を迅速に社会的価値へと還元していくことが期待されます。

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