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2019年ノーベル賞受賞記念記事 ノーベル化学賞に吉野 彰 氏

本年、10月9日に発表されたノーベル化学賞を、旭化成株式会社名誉フェローの吉野 彰氏が受賞することに決まりました。
日本人のノーベル賞受賞は、2018年生理学・医学賞の本庶佑氏に続き2年連続であり、受賞者数は計27人(※1)となりました。自然科学系3賞においては、21世紀に入ってから、アメリカに次いで2番目に多い受賞者数となっています。
この度の受賞を受け、安倍内閣総理大臣及び萩生田文部科学大臣から、コメント等を発表しました。
授賞式は、12月10日にスウェーデン・ストックホルムで開かれ、受賞に当たって賞ごとに計900万スウェーデン・クローナ(約1億円)(※2)の賞金等が贈られることとなります。
(※1 米国籍の南部陽一郎氏及び中村修二氏を含む)
(※2 1スウェーデン・クローナ:約10.79円で換算(2019年10月9日現在))

スウェーデン王立科学アカデミーは、2019年のノーベル化学賞を旭化成株式会社名誉フェロー・名城大学大学院理工学研究科教授の吉野彰氏に授与すると発表しました。
受賞理由は「リチウムイオン電池の開発について」となっており、「吉野彰氏は1985年に最初の商業的に実用可能なリチウムイオン電池を作製した。その結果、軽量で長持ちするバッテリーが得られ、機能が低下するまで何百回も充放電することができるようになった。ワイヤレスで化石燃料に頼らない社会の基盤を築き、人類に多大な利益をもたらしている。」として評価しています。
吉野氏が開発したリチウムイオン電池は、携帯機器や電気自動車等に不可欠なものであり、人々の生活に豊かさをもたらすだけでなく、温室効果ガスや排気ガスの削減に寄与するなど、人類全体に多大な恩恵をもたらしました。
安倍内閣総理大臣からは、今回の受賞を受けたコメントの中で、「独創的で多様な研究をしっかり支援していくとともに、研究を担う人材の育成を強力に進める。」との力強い言葉が示されました。
文部科学省としても、若手研究者の育成や多様で独創的な挑戦の支援など、国力の源と言える幅広い学術研究・基礎研究を一層振興してまいります。

吉野 彰(よしの あきら)
昭和23年(1948)1月(71歳)

経歴:
昭和45年(1970)3月 京都大学工学部卒業
昭和47年(1972)3月 京都大学工学研究科 修士課程修了
昭和47年(1972)4月 旭化成工業(株)(現 旭化成)入社
昭和57年(1982)10月 旭化成工業(株)川崎技術研究所
平成4年(1992)3月 旭化成工業(株)イオン二次電池事業推進部商品開発グループ長
平成6年(1994)8月 (株)エイ・ティーバッテリー技術開発担当部長
平成9年(1997)4月 旭化成工業(株)イオン二次電池事業グループ長
平成13年(2001)5月 旭化成(株)電池材料事業開発室長
平成15年(2003)10月 旭化成グループフェロー
平成17年(2005)8月 旭化成(株)吉野研究室 室長
平成22年(2010)4月 技術研究組合 リチウムイオン電池材料評価研究センター理事長(現在)
平成27年(2015)10月 旭化成(株)顧問
平成29年(2017)7月 名城大学大学院 理工学研究科 教授(現在)
平成29年(2017)10月 旭化成(株)名誉フェロー(現在)
令和元年(2019)6月 九州大学グリーンテクノロジー研究教育センター 訪問教授(現在)

受賞歴:
平成13年(2001) 関東地方発明表彰文部科学大臣発明奨励賞(発明協会)
平成14年(2002) 全国発明表彰文部科学大臣発明賞(発明協会)
平成15年(2003) 文部科学大臣賞科学技術功労者(文部科学省)
平成16年(2004) 紫綬褒章
平成24年(2012) IEEE Medal for Environmental and Safety Technologies(米国電気電子学会)
平成25年(2013) グローバルエネルギー賞(ロシア)
平成26年(2014) チャールズ・スターク・ドレイパー賞(全米技術アカデミー)
平成30年(2018) 日本国際賞(国際科学技術財団)
令和元年(2019) 欧州発明家賞 非欧州部門(欧州特許庁)

内閣総理大臣コメント

旭化成株式会社 吉野 彰 氏に本年のノーベル化学賞の受賞が決定しました。
日本人の受賞を心からお慶び申し上げますとともに、吉野氏の御業績に心から敬意を表します。
今回の受賞は、リチウムイオン電池の開発に関する業績が世界で高く評価されたものです。
日本人研究者の独創的な発想による真理の発見が、人類社会の持続的な発展や国際社会に大きく貢献し、世界から認められたことは、日本国民として誇りに思います。
政府としても、あらゆる分野でイノベーションを起こし続けることを目指し、独創的で多様な研究をしっかり支援していくとともに、研究を担う人材の育成を強力に進めてまいります。

令和元年10月9日
内閣総理大臣 安倍 晋三
(出典:首相官邸ホームページ)

文部科学大臣談話

吉野 彰 氏のノーベル化学賞受賞について

旭化成株式会社名誉フェロー 吉野 彰 氏が、本年のノーベル化学賞を受賞されましたことに心からお祝いを申し上げますとともに、これまでの同氏の研究の業績に敬意を表します。
吉野 彰氏の受賞は、我が国の研究の水準の高さを世界に示すとともに、国民にとって大きな誇りと励みになります。
文部科学省としても、若手研究者の育成や多様で独創的な挑戦の支援など、研究の振興を一層図っていく所存です。

令和元年10月9日
文部科学大臣 萩生田 光一
(出典:文部科学省ホームページ)

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