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特集3
平成30年度文部科学白書

特集1:2040年に向けた高等教育のグランドデザイン
特集2:激甚化する災害への対応強化

文部科学省総合教育政策局政策課

文部科学省では、教育、科学技術・学術、スポーツ、文化芸術にわたる文部科学省全体の施策を広く国民に紹介することを目的とし、文部科学白書を毎年刊行しています。
この度、平成30年度文部科学白書を公表しました。

文部科学省では、令和元年7月に、平成30年度文部科学白書を公表しました。文部科学白書は例年、第1部が特集、第2部が文教・科学技術施策全般の年次報告となっています。本稿では、特集の概要をお伝えします。
平成30年度文部科学白書では、特集テーマとして、「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」、「激甚化する災害への対応強化」の二つを取り上げました。

特集 1
2040年に向けた高等教育のグランドデザイン
今後、より一層少子高齢化やグローバル化が進展する社会において、Society5.0に向けた人材育成やイノベーション創出の基盤となる大学等の改革は急務です。特集1「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」では、これからの高等教育改革の指針として位置付けられるべきものとして中央教育審議会が取りまとめた答申の内容を中心に紹介しています。あわせて、学修成果の可視化など先進的な取組を行う事例を紹介しています。

第1節 総論
○「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」の検討の背景
平成29(2017)年3月6日の中央教育審議会総会において、文部科学大臣から「我が国の高等教育に関する将来構想について」諮問が行われ、2040年頃を見据えた、これからの時代の高等教育の将来構想について総合的な検討を要請しました。本諮問を受け、中央教育審議会において、大学分科会将来構想部会を中心に約1年8か月にわたって審議を進め、平成30(2018)年11月26日に「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)」(以下、「答申」という。)が取りまとめられました。
答申は、次の全7章から構成されています。
Ⅰ.2040年の展望と高等教育が目指すべき姿―学修者本位の教育への転換―
Ⅱ.教育研究体制―多様性と柔軟性の確保―
Ⅲ.教育の質の保証と情報公表―「学び」の質保証の再構築―
Ⅳ.18歳人口の減少を踏まえた高等教育機関の規模や地域配置―あらゆる世代が学ぶ「知の基盤」―
Ⅴ.各高等教育機関の役割等―多様な機関による多様な教育の提供―
Ⅵ.高等教育を支える投資―コストの可視化とあらゆるセクターからの支援の拡充―
Ⅶ.今後の検討課題
次に、答申に示されている7章の内容について紹介します。
○2040年の展望と高等教育が目指すべき姿―学修者本位の教育への転換―
2040年頃の社会変化を「国連が提唱する持続可能な開発のための目標(SDGs)」、「Society5.0、第4次産業革命」、「人生100年時代」、「グローバル化」、「地方創生」をキーワードにして予測の上、2040年に必要とされる人材と高等教育の目指すべき姿、そして高等教育と社会の関係を整理しています。「高等教育が目指すべき姿」として、「学修者本位の教育への転換」を掲げ、「何を教えたか」から「何を学び、身に付けることができたのか」へ転換していくこと、個々人の学修成果の可視化、学修者が生涯学び続ける体系への移行などが重要であるということを提言しています。

第2節 各論
○教育研究体制―多様性と柔軟性の確保―
個々人がその可能性を最大限にいかし、AI時代やグローバル時代を生きていく能力を獲得するためには、画一的な、教育を提供する側が考える教育から脱却し、高等教育は「多様な価値観を持つ多様な人材が集まることにより新たな価値が創造される場」=「多様な価値観が集まるキャンパス」になることが必要であるとしています。「多様性と柔軟性」をキーワードとし、「学生」、「教員」、「教育プログラム」、「ガバナンス」、「『強み』の強化」の観点から、それぞれ取組を進めるための具体的な方策を提言しています。
○18歳人口の減少を踏まえた高等教育機関の規模や地域配置―あらゆる世代が学ぶ「知の基盤」―
高等教育機関への進学者は、現在の約97万人から約74万人となり、約23万人の減少、そのうち大学進学者数は、約63万人から約51万人となり、約12万人減少するという推計となっています。この推計を受けて、各高等教育機関は、18歳で入学してくる日本人学生を中心とした教育体制では現在の規模を維持することはできないということを認識した上で、いかに学生の可能性を伸ばすことができるかという教育改革を進め、そのための規模の適正化について検討すべきであると言及しています。他方、社会人や留学生の規模ということに関しては、多様性の観点から拡大することが期待されるとしています。また、地方における質の高い教育機会の確保という大きな課題を受け、産業界や地方公共団体等とともに将来像の議論や具体的な連携・交流等の方策について議論する「地域連携プラットフォーム(仮称)」の構築が必要であるとしています。一方、議論の前提としての各種データの網羅的な収集・整備、連携・統合の仕組みの制度的整備などは国が担うべき役割であると言及しています。
○各高等教育機関の役割等―多様な機関による多様な教育の提供―
また、各学校種(専門職大学・専門職短期大学、短期大学、高等専門学校、専門学校)及び大学院における特有の課題を整理しており、今後は、転入学や編入学などの各高等教育機関の間の接続を含めた流動性を高め、より多様なキャリアパスを実現していく必要性にも言及しています。
○高等教育を支える投資―コストの可視化とあらゆるセクターからの支援の拡充―
2040年に向けて、日本全体の人口が減少し、特に生産年齢人口の割合が減っていく中で、社会を支え、国民が豊かな生活を享受するためには、高等教育がイノベーションの源泉となり、地域の知の拠点として確立し、学修者一人一人の可能性を最大限伸長することで未来を支える人材を育成する役割が期待されています。
このような役割を果たすことができる高等教育は国力の源であり、必要な公的な支援を確保しつつ、民間からの投資と社会からの寄附等の支援等の高等教育への投資活動を強化していくことが求められるとしています。

第3節 今後の改革の方向性
○質保証システムの見直し
教育の質を保証するためには、第一義的には大学自らが率先して取り組むことが重要であり、三つの方針(卒業認定・学位授与の方針、教育課程編成・実施の方針、入学者受入れの方針)に基づく体系的で組織的な大学教育を展開し、その成果を、学位を与える課程共通の考え方や尺度にのっとって点検・評価を行うことで、不断の改善に取り組むことが必要であるとしています。そのため、各大学において教学面における取組をどのように充実していくべきかなどを網羅的にまとめた「教学マネジメントに係る指針」を、今後、中央教育審議会で議論し、各大学へ一括で示す必要があると提言しています。また、大学設置基準については、時々の状況の変化を受けて改正は順次行われてきましたが、定員管理、教育手法、施設設備等について、現在の基準を抜本的に見直す必要があると提言しています。認証評価制度については、より効率的・効果的で実質的な改善につながる評価となるよう、他評価の活用や受審期間の見直し、大学評価基準に適合しているか否かの認定の義務付けなどについて提言しています。
○産業界との連携・協力
高等教育機関が質の保証の取組を進めることと同時に、産業界においては、採用プロセスに当たり、「求める人材」のイメージや技能を具体的に示していくことや、大学が示す可視化された学修成果に関する情報を選考活動において積極的に活用するとともに、大学における学修成果を重視しているとのメッセージを学生に対して積極的に発信することを求めています。その際、学修成果の中身について、高等教育機関と産業界が共通理解を持って進めていく必要があると言及しています。
○今後の検討課題
・国公私立の枠組みを越えた連携の仕組みである「大学等連携推進法人制度(仮称)」について、制度の枠組み、認定する際の基準の内容、連携を推進するための制度的な見直し
・国立大学において、それぞれの大学の強み・特色や地域の事情等にも留意しつつ、どのような課程や分野で、どのような規模で役割を果たしていくのか、という点について一定の方向性の検討
・大学間の連携・統合(国立大学の一法人複数大学制度、私立大学の学部単位等での事業譲渡の円滑化等)に必要な制度改定など
○コラム 学修成果の可視化に関する大学の取組例(例:高知大学)
高知大学は、教育に関する基本目標として「総合的教養教育を基盤とし、「地域協働」による教育の深化を通して課題解決能力のある専門職業人を養成する」ことを掲げており、文部科学省の「大学教育再生加速プログラム(AP)」事業の下、平成28年度より、①教育改革に向けた教職員の意識改革、②ディプロマ・ポリシーに基づいた多面的評価指標の開発、③地域と社会と協働した学生の成長の検証の3本の柱で、教育の質保証のための取組を行っています。
○コラム 地域連携プラットフォームに関する取組例(例:前橋市)
前橋市の課題は人口減少であり、特に生産年齢人口(15歳~64歳)の変動が大きく、平成17年から平成27年までの10年間で約2万2000人が減少しています。その大きな要因が、15歳~24歳の転出超過であり、進学や就職のタイミングで市内に定着しにくい状況となっています。また、定着の状況について他機関を含め具体的な数値を把握できていないことや、市内全ての大学が参加する形での産官学連携体制が図られておらず、それぞれのリソースを十分に共有・発揮できていないことも大きな課題と捉えていました。そこで、平成30年9月25日、市内の国公私立全6大学・前橋商工会議所・前橋市は、連携協定を締結し、産学官が知恵を出し合うための協議会「めぶく。プラットフォーム前橋」を設立して、地域人材の育成・定着の課題解決に向けた強固な連携体制を推進しています。
○参考
2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)については、文部科学省のウェブサイトで詳細を御覧いただくことが可能です。

特集 2
激甚化する災害への対応強化
我が国はその自然的条件から、地震、津波、暴風、竜巻、豪雨、火山噴火等、多種の自然災害が発生しやすい特性を有しています。
平成30年度は、地震、豪雨、猛暑等、多くの災害や異常気象に見舞われ、激甚化する災害への対応の強化が喫緊の課題であることが再認識されました。

第1節 平成30年度に発生した主な災害・異常気象と文部科学省の対応
○平成30年度に発生した主な災害・異常気象
平成30年度は、最大震度6弱の大阪府北部地震、記録的な大雨となった平成30年7月豪雨、相次ぐ台風の上陸、最大震度7の北海道胆振東部地震や記録的な猛暑等、多くの災害や異常気象に見舞われました。学校関係でも甚大な被害が生じており、大阪府北部地震により学校のブロック塀が倒壊し、登校中の女子児童が死亡したことや、記録的な高温に見舞われる中、男子児童が校外学習後に教室で意識不明となり、死亡したことなど、大変痛ましい事故が発生しました。
文部科学省では、被災した学校が円滑に教育活動を再開・実施できるよう、学校施設等の速やかな復旧のために財政支援を行っており、平成30年度に発生した災害で被害を受けた学校施設等については、平成30年度第1次及び第2次補正予算に必要な経費を計上するなど、被災地からの要望や具体的な被害状況を踏まえ、支援を行っています。
また、平成30年7月豪雨や北海道胆振東部地震において、文部科学省は、学習支援や心のケアのための教員定数の加配措置やスクールカウンセラー、スクール・サポート・スタッフの追加配置、就学支援等のための予算措置等を行いました。
○ブロック塀等の倒壊防止等の安全対策
大阪府北部地震では、学校のブロック塀が倒壊し、登校中の女子児童が死亡するという大変痛ましい事故が発生しました。当該事故を受けて、文部科学省では、全国の学校設置者に対してブロック塀等の安全点検等の要請を行うとともに、その進捗状況を調査しました。この調査により、「外観に基づく点検で安全性に問題があるブロック塀等を有する学校」が、全国の学校の約4分の1にのぼることが判明したことを受け、文部科学省では、安全点検や応急対策を実施し、安全性に問題があるブロック塀等については、速やかに改善を図るよう通知するとともに、平成30年度第1次補正予算において、新たにブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金を創設するなど、232億円を措置し、支援しました。
○熱中症対策としての公立小中学校等への空調設置
平成30年夏は災害ともいえる猛暑に見舞われ、同年7月には男子児童が校外学習後に教室で意識を失い、死亡するという大変痛ましい事故が発生しました。当該事故を受けて、文部科学省は教育委員会等に対し、熱中症にかかる可能性が高まることを踏まえた安全管理、児童生徒への指導など適切な対応を行うよう依頼するとともに、平成30年度第1次補正予算において、新たにブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金を創設し、817億円を措置し、支援しました。

第2節 国土強靱化に係る文部科学省の施策
○国土強靱化基本計画の見直し
平成25年に「強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法」が公布・施行され、26年6月には「国土強靱化基本計画」が閣議決定されました。30年12月14日には、近年の災害から得られた貴重な教訓や社会経済情勢の変化等を踏まえ、基本計画の見直しが閣議決定されました。
文部科学省としては、学校施設等における非構造部材を含めた耐震対策や自家発電設備の確保等による防災機能強化のほか、防災教育の推進、地震・津波・火山観測網や衛星等による災害時の多様な情報収集手段の確保、インフラの老朽化対策における研究開発、文化財の耐震対策及び保存対策などの施策を計画的に進めていくこととしています。
○防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策
平成30年度は多くの災害が発生し、国民の生活・経済に欠かせない重要なインフラが機能を喪失する事態が発生しました。このため、12府省庁により重要インフラの機能確保について緊急点検が実施され、特に緊急に実施すべき対策について、3年間で集中的に実施するものとして、事業規模がおおむね7兆円程度を目途とする「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」が閣議決定されました。
文部科学省としては、学校施設等における災害時に落下の危険性のある外壁や天井等の改善整備及び構造体の耐震化、研究開発法人施設の防災基盤強化、南海トラフにおける新たな地震・津波観測網の構築など、12の項目について緊急対策を行うこととしたところです。

第3節 学校等における防災・減災対策の推進
○防災機能強化のための文部科学省の組織再編
文部科学省では、防災に係る対応を強化するため、平成30年10月に組織再編を行い、文教施設の防災を主担当とする課長級職として「参事官(施設防災担当)」を新たに創設し、これに伴い「大臣官房文教施設企画部」を「大臣官房文教施設企画・防災部」に再編しました。
このことにより、平時における耐震化や避難所機能の確保などの学校施設の防災・減災対策の推進、災害発生時の情報収集、省内の施策の総合調整、被災地への情報連絡員の派遣など、文部科学省関係の防災対策を一元的に推進することとしています。
○学校施設の耐震対策
学校施設は、児童生徒の学習・生活の場であるとともに、地震などの災害時には地域住民の避難所としての役割も果たすことから、耐震対策により安全性を確保することは極めて重要です。
構造体の耐震化については、国公立学校施設についてはおおむね完了しており、私立学校施設については、耐震化率がおよそ9割となっています。近年の大規模な地震では、耐震化が完了した学校施設に倒壊・崩壊といった被害が生じなかったことは耐震化の大きな成果だと考えています。一方、非構造部材については更なる取組が必要であり、文部科学省では、耐震点検を推進するためのガイドブックを作成するなど、耐震対策を推進しています。
文部科学省では、構造体の耐震化及び非構造部材の耐震対策が未完了の学校設置者に対しては、引き続き必要な国庫補助を行うとともに、速やかに耐震対策を実施するよう依頼しています。
○学校施設の防災機能強化の推進
平成28年熊本地震では、非構造部材の損傷等により体育館が使用できなかったり、トイレや電気、水の確保等において不具合、不便が生じたりするなど、避難所に関する様々な課題が生じました。
平成29年度の文部科学省の調査によると、公立学校施設の約9割が避難所に指定されている一方、避難所に指定されている学校施設のうち、断水時のトイレや電力に関する防災機能を確保している学校数は、それぞれ50%程度に留まっています。
文部科学省では、防災機能の強化を一層推進するよう教育委員会に周知するとともに、耐震対策、備蓄倉庫、屋外トイレ、自家発電設備の整備、炊き出し拠点としての活用や被災時における衛生環境の低下にも耐えられる、衛生的で安全な給食施設の整備等について国庫補助を行っています。
○学校等における防災教育等の推進
各学校においては、児童生徒等に自然災害等の危険に際して自らの命を守り抜くための主体的に行動する態度等を身に付けさせるために、学習指導要領に基づき地域の特性や児童生徒等の実情に応じて、年間を通じて指導すべき内容を整理して、学校安全計画に位置付けることにより、系統的・体系的な防災教育を計画的に行っています。また、自然災害等を想定した実践的な避難訓練等を実施し、各教科等の学習で身に付けた知識を行動に結び付けるための教育を行っています。
文部科学省では、「第2次学校安全の推進に関する計画」や学習指導要領改訂を踏まえ、各学校において地域の実情に応じた防災教育をはじめとする安全教育を行う際の参考となるよう、学校安全資料『「生きる力」をはぐくむ学校での安全教育』を改訂し、平成31年3月に配布しています。
○文化財の防災対策
文化庁では、後世に確実に継承すべき貴重な文化財について、台風・地震や火事等からの被災を防ぐため、「文化財防火デー」を定め、全国で文化財保護に対する意識向上に努めるとともに、重要文化財(建造物)の耐震化について対応を強化するなど、防災・減災対策を推進しています。
また、東日本大震災や熊本地震で被害を受けた文化財に対し、その復旧を支援しています。

第4節 防災に関する研究開発の推進
我が国の国土は、地震、津波、暴風、竜巻、豪雨、火山噴火等の自然災害が多く発生する自然条件下にあります。
自然災害にはいまだに解明されていない部分が多く、大きな被害をもたらします。自然災害を正確に把握し、予測するための調査研究を進めるとともに、被害軽減を図るための研究開発を進め、防災・減災対策にいかしていくことが重要です。
○地震調査研究推進本部と長期評価
阪神淡路大震災を契機に、地震調査研究推進本部(以下、「地震本部」という。)が設置されました。地震本部では、地震による被害の軽減に資する地震調査研究の推進を目的とし、関係機関の地震の観測、測量、調査による成果を集めて地震活動の総合的な評価をするとともに、総合的かつ基本的な施策の立案や関係行政機関の予算等の調整等を実施しています。
地震本部の下に設置されている地震調査委員会では、防災対策の基礎となる情報を提供するため、将来、発生すると想定される地震(主要な活断層で発生する地震、海溝型地震)に関し、その場所、規模、発生確率について評価を行い、「長期評価」として公表しています。
○地震・津波等の観測網の構築・運用
文部科学省では、地震・津波等を観測する技術や予測する手法の研究開発等を推進しています。例えば、陸域の地震観測網、海域の地震・津波観測網、火山観測網と合わせて、全国の陸域から海域までを網羅する「陸海統合地震津波火山観測網(MOWLAS)」を防災科学技術研究所(以下、「防災科研」という。)において運用し、日本全国で発生する地震・津波等をリアルタイムで観測しています。
さらに、文部科学省では、発生すると大きな被害が想定される南海トラフ地震での防災に貢献するため、海底地震・津波観測網が設置されていない高知県沖から日向灘の海域にかけて、新たに「南海トラフ海底地震津波観測網(N-net)」を構築しています。
○防災・減災に関する国立研究開発法人の取組
防災科研では、各種自然災害に対する①予測力、②予防力、③対応力、④回復力の総合的な向上を図るための研究開発等を、海洋研究開発機構では、自然災害に対して強靱な社会の構築に向けた観測システムの開発・整備を、宇宙航空研究開発機構では、災害時の情報を迅速かつ効率的に一元管理できるシステム(D-NET)の研究開発を実施しています。

「平成30年度文部科学白書」
発行:日経印刷株式会社、定価:1950円(税別)
(http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/monbu.htm)

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