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教育再生実行会議第十一次提言
~技術の進展に応じた教育の革新、新時代に対応した高等学校改革~

内閣官房教育再生実行会議担当室

教育再生実行会議は、令和元年5月17日、第十一次提言「技術の進展に応じた教育の革新、新時代に対応した高等学校改革について」を取りまとめました。

教育再生実行会議の概要
教育再生実行会議は、21世紀の日本にふさわしい教育体制の構築に向けて教育改革を推進するため、平成25年1月から内閣総理大臣が開催しているものです。同会議は、29年6月までに十次にわたる提言を行いました。これらの提言を受け、既にいじめ防止、教育委員会改革、大学ガバナンス改革及び教育研究力の強化、義務教育学校の制度化、教師の養成・採用・研修の一体改革、専門職大学及び専門職短期大学の制度化等について法改正等がなされるなど、様々な施策が実施に移されました。このように、教育再生実行会議は、教育再生の牽引力として大きな役割を果たしています。

第十一次提言「技術の進展に応じた教育の革新、新時代に対応した高等学校改革について」
我が国では、人口減少や少子・高齢化が急速に進む中で、地方では人口減少や地域経済の縮小が進んでおり、地方の活力を取り戻すためにも、地方創生に国を挙げて取り組むことが必要となっています。また、人生100年時代においては、一人一人が「学びは終わりのないプロセス」であることを意識し、生涯を通じて社会で活躍するために、能動的に学び続けることが重要となります。さらに、AIやIoTなどの技術の急速な発展に伴いSociety 5.0が到来しつつある中、こうした技術の開発に関する国際的な競争は激しさを増しています。
今後更に加速するであろうこうした様々な社会の変化に対し、子供たちが受け身になることなく、その中から積極的にチャンスを見つけ、それを活用し、活躍していくことができるよう、教育を通じて必要な資質・能力を育成していくことが大切であり、新たな時代を見据えた教育再生を大胆に進めることが必要です。
教育再生実行会議では、このような問題意識の下、「技術の進展に応じた教育の革新」と「新時代に対応した高等学校改革」の二つをテーマとして、平成30年8月よりワーキング・グループを設けて検討を重ね、令和元年5月、第十一次提言「技術の進展に応じた教育の革新、新時代に対応した高等学校改革について」として取りまとめました。

本提言では、「技術の進展に応じた教育の革新」について、
○基礎的読解力や数学的思考力をはじめ、データサイエンス等に関する教育等も含めた基盤的な学力や情報活用能力の育成
○学習指導要領の一部改訂など、教育課程の不断の見直しを進め、中長期的な観点から教科書の弾力的見直しについての検討
○社会の変化や技術の急速な進展を踏まえた養成・採用・研修の全体を通じた教師の資質・能力の向上、外部人材の積極的な活用
○全ての小・中・高等学校等で遠隔教育を活用できるよう、大学・民間企業等と協働したプラットフォームの構築や特例校制度による指導法研究
○スタディ・ログ等を活用した個別最適化された学びの実現に向けた実証研究の推進
○全ての大学生がAI・数理・データサイエンスの基礎的な素養を身に付けられるよう標準カリキュラムの作成
○高等専門学校において、大学と連携した高度な専門教育によるハイブリッド型の連携教育プログラムの導入の促進
○障害のある児童生徒への指導の効果を高めるための支援機器や教材の効果的な活用の促進
○地方財政措置(単年度1,805億円)が講じられている学校のICT環境整備について、地方公共団体間で差が生じている要因等の分析と、必要な対応の実施
○競争的な環境で安価にICT機器等を調達できるよう、価格の相場観などモデルの提示やガイドブックの作成
○高齢者や障害者、外国人等の図書館利用が容易となるよう、先端技術を活用した点字・視聴覚資料等の活用事例について調査
などを盛り込んでいます。

また、「新時代に対応した高等学校改革」については、
○全ての高等学校における、生徒受入れに関する方針、教育課程編成・実施に関する方針、修了認定に関する方針の策定
○普通科の各学校が、教育理念に基づき選択可能な学習の方向性に基づいた類型の枠組みの提示
○文系と理系科目の両方をバランスよく学ぶ仕組みの構築
○標準的な授業時間の在り方を含む教育課程の在り方の見直し、教科書の弾力的見直しについての検討
○校内研修の充実、ベテランから若手教師への知識技能の伝承、教師の資質の向上に関する指標について学校種ごとの記述
○高等学校と市町村、産業界、大学等が協働した地域課題の解決等を通じた学びの実現、高等学校と地域をつなぐコーディネーターの役割やその在り方の検討
○文理両方を学ぶ人材の育成の観点から、文系・理系に偏った試験からの脱却を目指し、大学入学者選抜の在り方の見直し
○不登校などの多様な課題を抱える生徒に対応するためのスクールカウンセラーなどの専門人材の配置状況の把握と、適正な配置・活用に向けた方策の検討、SNSを活用した教育相談体制の充実
○離島・中山間地域等の小規模な高等学校において、ICTの導入や高等教育機関との連携強化による学習の多様性や質の高度化
などを盛り込んでいます。

中央教育審議会においては、「新しい時代の初等中等教育の在り方について」4月に諮問がなされ、6月から審議が始まったところであり、本提言の内容を踏まえて、制度改正等に向けた検討が行われる予定です。文部科学省をはじめとした関係省庁と連携して、提言の内容の着実な実現に取り組んでいきます。


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