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特集2
新しい文部科学省の創生に向けた取組
~「文部科学省創生実行計画」の策定と実行 ~

文部科学省大臣官房省改革推進・コンプライアンス室

文部科学省は、ここ数年にわたって起きた一連の不祥事を真摯に受け止め、失われた国民の信頼を取り戻し、職員が公正に職務を行うため、また、教育や科学技術・学術、スポーツ、文化といった重要な行政課題について、これまで以上に国民目線の行政を行うため、新しい文部科学省の創生を目指し、組織改革のための計画を定め、その実行に向けて様々な取組を進めています。

問題の再発防止と「新生・文部科学省」を目指す取組
大臣官房省改革推進・コンプライアンス室
度重なる不祥事を受け、組織の立て直しを図るための取組を開始
平成29年1月に発生した再就職規制違反等の問題は、文部科学省内部だけでなく、社会全体に大きな衝撃を与え、文部科学省への国民の信用が損なわれる事態となりました。
この問題を受け、文部科学省では、法律やコンプライアンスの専門家など外部有識者に参画いただき、「文部科学省における再就職等規制違反の再発防止策に関する有識者検討会」を設置し、平成29年7月、第三者によるコンプライアンスの体制の確立(コンプライアンスチームの設置)など直接的な再発防止策だけでなく、人事に関する慣行や仕組みの見直し、業務プロセス等の改善など、再発防止に資する対策についても具体的な提言をいただきました。
また、省内においても、平成29年3月には、副大臣と課長級職員を構成員とする「今後の文部科学省の在り方を考えるタスクフォース」を設置し、今後目指すべき文部科学省の在り方とそのために必要な改革方策について検討を行い、平成29年7月に、「新生・文部科学省」を目指すに当たって取り組む必要があるものとして、政策立案機能の強化や広報機能の強化など10の戦略を示した報告を取りまとめ、公表しました。
しかしながら、これらを受け、再発防止や組織改革に向けた取組を進めていたさなかの平成30年7月に、局長級職員2名が立て続けに逮捕・起訴されるという事案が発生しました。
これは、前代未聞の事件であり、文部科学省に対する国民の信頼は失墜し、それまで省の中で進めていた組織改革の取組も道半ばで見直しを迫られることとなりました。

有志職員による改革方策の検討
約170名の有志職員が議論に参加
この事件を契機として、若手・中堅を中心とする職員の自発的な意思による省改革の検討が始まりました。
省内で行った公募に手を挙げた173名の職員により、平成30年8月に「文部科学省未来検討タスクフォース」を設置し、今後の文部科学省の目指すべき姿や課題について何度も議論を行った結果、平成30年12月には、省改革に向けた報告を取りまとめました。
報告の中では、
・文部科学省職員の在り方(行動指針)、省としてのビジョン・ミッションステートメント(基本方針)の策定
・コンプライアンスや省改革を担う恒常的な専属組織の設置
・職階に応じて求められる能力(コンピテンシー)の明確化、多面観察(360度評価)の実施
・公募型プロジェクトチームの創設、政策コンペティションの実施
・事務次官を責任者とした業務改善体制の確立、省幹部による取組目標の宣言
など様々な改革方策を提案しています。

新しい文部科学省の「創生」に向け取組の実行計画を策定
大臣を本部長とする会議で外部有識者も議論に加わり改革方策を検討
この「文部科学省未来検討タスクフォース」の議論と並行して、平成30年10月には、大臣を本部長として、有識者や局長級職員で構成する「文部科学省創生実行本部」を設置しました。
この「文部科学省創生実行本部」では、有識者から成る「文部科学省幹部職員の事案に関する調査・検証チーム」の調査報告(平成30年10月)の内容も踏まえ、度重なる不祥事の原因や背景を組織文化の問題にまで遡って分析を行い、一刻も早く国民の信頼を回復し、二度とこのような問題を起こさないようにするためには、文部科学省を新しく創生することが必要であるとした上で、その創生の在り方や実行方策について検討し、平成31年3月29日に「文部科学省創生実行計画」(以下、「計画」という。)を策定しました。
この計画には、「文部科学省未来検討タスクフォース」における議論や提言も反映されています。

変革すべき組織風土と今後の方向性を明示
この「計画」では、一連の不祥事の背景には、当該職員に帰する問題はもとより、不祥事を未然に防げなかった組織文化や体制に根ざす部分も大きいと分析し、変革すべき組織風土を明示した上で、その弊害を断ち切るため、次のような方向性を示しました。
(1)法令遵守の精神、社会的影響力の自覚の欠如
→方向性:公益の追求、法令遵守、当事者意識
(2)健全な政策形成・実行を阻害する内向きの思考様式
→方向性:現場主義、スピード感、不断の内省と自己研鑽、風通しの良さ
(3)硬直的な人事慣行や組織体制、縦割り意識
→方向性:意欲・能力本位、一体性の確保
(4)幹部のリーダーシップ、実効的なガバナンス体制の不備
→方向性:幹部の意識改革、ガバナンス強化

文部科学省の基本方針と行動指針を策定
組織を改革するためには、まず全職員が共通の目標を共有し、自分事として受け止めること、そして各職員が日頃から能力を高め発揮できる環境を整備する必要があります。
その共通の目標については、文部科学省設置法に規定されている文部科学省の任務のほか、教育基本法、科学技術基本法、スポーツ基本法、文化芸術基本法等に定められている目的・理念についても確実に実現することがありますが、これらを端的に表した文部科学省の在るべき姿について、「計画」では「基本方針」として次のように示しました。

文部科学省は、人と知の力を通じた豊かな未来の創出に貢献する
そして、この方針を実現するため、改革の方向性を踏まえた全職員の「行動指針」を次のとおり整理しました。

文部科学省職員の行動指針
一.国民全体へ奉仕する
一.全体の奉仕者であることを自覚し,公正を貫く
二.未来志向の行政官になる
三.説明責任を果たす

二.対話・協働により,人の力を高め生かす
一.内向き思考から脱却する
二.誠意と熱意を持ち,現場主義の政策を立案・実行する

三.変化を見据え自ら学び続ける
一.自分自身を日々客観的に分析し,自己研鑽する
二.客観的根拠に基づき筋を通す
三.建設的な議論を行い,組織一丸となって行動する

一.一.
自らが社会に与える影響の大きさを自覚し,行政のプロとしての強い自信・誇り・意思を持ち,常に国民・社会の目を意識し襟を正して法令遵守の精神に基づき,国全体の視点に立って公正かつ謙虚に日々の仕事に当たる。
一.二.
過去の経緯や既存の仕組みの本質を理解し,中長期的な視野で未来社会を見据え,現在必要な政策を検討し,立案・実行する。
一.三.
いかなる政策も社会に認知・理解されなければならないとの認識の下,国民全体への説明責任を果たす。
二.一.
常に日本・世界の動向にアンテナを張り,国内外を問わず,行政・民間等の関係者や所掌分野外の者との幅広い交流を通じ,大局的・先進的な視点を持つ。
二.二.
様々な人,価値観,地域や文化等があることを尊重し,誠意と熱意を持ち,現場の実情を掴むとともに,連携・協働しながら適切に政策を立案・実行する。
三.一.
周りにある「当たり前」を謙虚に問い直すとともに,幅広い教養と職務に必要な知識・技能を身に付けるよう,生涯学習を実践し,自己研鑽を積み重ねる。
三.二.
不都合な事実こそ直視し,真摯に受け止め改善の契機とする。客観的根拠等に基づき課題や原因を分析し,問題を解決する。
三.三.
上司・部下間や部局間,外部との関係において,お互いの考えに耳を傾け,遠慮せず議論することを尊重し,意思決定された政策の実現に向け組織一丸となって行動する。

この指針は、職位ごとに求められる能力(コンピテンシー)、今後整理する予定の人材育成の基本的な考え方、各種研修の企画立案等に反映させることにより、その実質化を図ることとしています。

改革のための具体的な取組
この基本方針と行動指針の内容が達成されるようにするため、「計画」では次の46の具体的な取組を示しました。平成31年4月から、これらを工程表に沿って着実に進めていくこととしています。

(1)組織風土改革及び組織体制・ガバナンスの強化に向けた具体的取組
○不祥事を防止する内部統制環境の整備
1.事務次官の下に、法令遵守を含め、各課が実施する職員のコンプライアンスに係る取組を総括して総合的に推進する専属組織(省改革推進・コンプライアンス室)を設置
2.コンプライアンスに係る研修は、各担当課が、省改革推進・コンプライアンス室と連携して企画・実施。再就職等規制については、省改革推進・コンプライアンス室において企画・実施
3.第三者によるチェックや相談体制を整備するため、外部の有識者からなる「コンプライアンスチーム」を設置
4.コンプライアンスに係る相談や違反が疑われる事案の通報を受ける「コンプライアンス窓口」を設置。各部局に「コンプライアンス相談員(仮称)」を配置。相談・通報者の保護を徹底
5.公文書監理官を先頭に文書管理の状況を常にチェックする体制を構築。省内の文書管理、情報管理を徹底
6.第三者による調査が必要な緊急事態が発生した場合、省改革推進・コンプライアンス室は、コンプライアンスチームの指導を受け、調査・検証体制について検討し迅速に対応
○幹部のリーダーシップの確立
7.幹部(審議官級以上)の業務運営上の方針を策定・周知。その達成度は多面観察(360度評価)へ活用。課室長級についても、同様の取組を促進
8.日常的に基本方針や行動指針、業務運営上の方針を踏まえた振り返りの機会を設け、業務遂行に際して具体化
○自由闊達な組織文化の確立
9.省幹部とのランチミーティング等若手職員等との意見交換の場を設定
10.斜めの関係であるメンター制度を積極的に活用

(2)文部科学省を担う人材の強化(人材育成・採用・配置等の改革)に向けた具体的取組
○文部科学省における人事の改革
11.採用区分や年次・年齢にとらわれない、資質・能力・適性に応じた人事配置の徹底を目指す。
12.管理職を対象とする多面観察(360度評価)を本格的に導入
13.若いうちから各分野(教育、科学技術・学術、スポーツ、文化)や各種業務(法令・予算・企画等)をバランス良く経験。できるだけ学校、研究所、文化芸術・スポーツ活動の場等において実践的経験を積めるようにする。
14.国立大学法人・独立行政法人、教育委員会に加え、民間企業、地方公共団体首長部局、他省庁、国際機関等との人事交流を推進
15.学位や資格の取得を奨励し、意欲と専門的知識のある者を適材適所の観点から積極的に登用
○国立大学法人との人事交流の改革
16.国立大学法人への理事出向については、大学の自律性等の観点から再構築。各学長の意向やこれまでの経緯も踏まえつつ理事出向の在り方を見直し、2019年4月に交代となる大学の理事出向については半減を目指す。
17.国立大学法人から理事出向の要請があった場合、2020年4月以降は、学外理事が法定数確保されていることを前提として対応
18.国立大学法人職員(部課長級)への出向については、各学長の人事戦略や各国立大学法人が抱える課題の状況も踏まえ、引き続き適切に実施
19.国立大学法人との人事交流に当たっては、文部科学省職員の学位・資格等の専門性を活用。若手・中堅を中心とした人事交流についても積極的に推進
20.文部科学省と国立大学法人との人事交流を行うに当たっては、運営費交付金についての公正性・透明性が確保されるよう、有効な形で牽制が機能するシステムを導入
21.国立大学法人への運営費交付金を担当する職員については、透明性の確保の観点から、国立大学法人との直接の人事交流を原則として行わない。
○「人材育成の基本的な考え方(仮称)」の策定
22.総合的・戦略的な人事配置、長期的視点も踏まえた職員の能力向上等の計画的な人材育成を推進するため、採用、人事配置、交流人事、人材育成等に関する基本的な考え方を示し、キャリアパスを明確化
23.「人材育成の基本的な考え方(仮称)」を踏まえた研修等の方針・計画の作成及び職員の主体的な学びのための環境整備
○職位ごとに求められる能力(コンピテンシー)の策定・運用
24.コンピテンシーを策定し、多面観察(360度評価)や人事評価と連携。研修へ活用
○国家公務員倫理規程の遵守・徹底のための取組の充実
25.国家公務員倫理規程に関する研修を充実。主に幹部を対象とした実践的、少人数ワークショップを開催
○国家公務員としての基礎能力、政策立案能力、マネジメント能力の向上を目指した研修の充実
26.国家公務員としての基礎能力・基本動作を身に付ける研修を充実。政策立案能力や管理職としてのマネジメント能力の向上に資する研修を拡充
27.○メンター制度、人事評価(期首面談、期末面談等)の積極活用

(3)現場に根差した政策立案機能の強化に向けた具体的取組
○若手のうちからの多様な業務のバランス良い経験
28.職種や採用区分にとらわれず、若手のうちから多様な業務(法令・予算・企画等)をバランス良く経験
○「提案型政策形成(仮称)」の導入
29.所掌にとらわれず、実現すべきと考える政策を年1回職員から募集。優先的に実施すべきと認められた政策については、更なる具体化を検討
○「省内公募ポスト」の導入
30.広く適任者を募ることが適当と考えられるポストを設定し、省内公募
○省内公募人員の参画による業務の改善
31.働き方改革や広報、EBPM等の推進に参画する人員を省内公募
○政策の企画・立案及び実施の各プロセスにおける現場との政策対話の促進
32.現場との政策対話や政策立案教養研修の拡充
33.各課長が率先して現場や専門家への訪問・意見交換を実施。課員の同様の取組を奨励
○政策立案・実行機能強化のための環境整備
34.EBPMの推進。国立教育政策研究所、科学技術・学術政策研究所との連携強化

(4)広報機能の強化に向けた具体的取組
○組織的な広報活動に向けた省内体制の整備
35.全省的な広報体制の構築
36.省内公募も活用した広報推進チームの設置
○国民の理解につながる広報の拡充
37.丁寧かつ分かりやすい公表資料の作成、広報大使の活用等の広報内容や手法の工夫改善
38.文部科学省ホームページや、SNS等による情報発信の充実
39.日々の業務において対外的発信の心掛けを徹底
○職員の広報意識とスキルの向上
40.省内広報活動についての顕彰の充実
41.若手を対象とした報道や広報に関する研修を充実
42.職員が広報の専門的知識を有する専門家に相談できる機会を拡充

(5)業務改善の徹底に向けた具体的取組
○業務改善の推進体制の整備と取組の徹底
43.事務次官を議長とする「業務改善実行会議(仮称)」を創設し、大臣官房においてその事務局を担う。
44.省全体の業務改善改革計画の策定及び計画のフォローアップ、好事例の共有や外部への発信
45.部局ごとに、順次、公募等の方法により「業務改善推進員(仮称)」を選任し、局長等が指名する者をリーダーとする業務改善グループを設置。改善方策の提案、実践、推進及び効果の検証を実施
46.「業務改善実行会議(仮称)」の下、部局横断的な業務改善課題に取り組むためのチームを設置(省改革推進・コンプライアンス室員に加え、各部局の業務改善グループのメンバー等のうちから希望等を踏まえて選任)

計画の実行へ
取組の実効性を確保するための仕組みとして「文部科学省改革実行本部」と「省改革推進・コンプライアンス室」を設置
「計画」を策定しても、絵に描いた餅で終わらせては意味がありません。着実に実行し、PDCAを恒常的に展開していくため、平成31年4月1日に、文部科学大臣を本部長、省内の幹部職員等を構成員とする「文部科学省改革実行本部」を新たに設置しました。
この本部において、「計画」の進捗状況について各部局等から報告を受けながら、アウトプット(結果)だけではなくアウトカム(成果)に基づく取組効果を検証し、必要に応じて、取組の支援や追加的な取組について検討を行うなどのフォローアップを行い、不断の改革を継続的かつ着実に推進していくこととしています。
また、同日に、省の改革やコンプライアンスを担う次官直下の専属組織として、また、「文部科学省改革実行本部」の事務局として、「省改革推進・コンプライアンス室」も設置しました。【取組の1】
この「省改革推進・コンプライアンス室」において、同本部での議論を踏まえ、省改革全体を俯瞰する立場から関係課の取組について報告を求め、必要に応じて指示を行うこととしています。また、計画実行の推進方策や更なる改革方針について、同本部に提案も行っていきます。

「計画」に基づく取組の進捗状況の確認
同年4月17日、「文部科学省改革実行本部」の第1回会合を開催し、4月以降の取組の進捗状況を大臣・副大臣・大臣政務官と幹部に報告しました。

(1)組織風土改革及び組織体制・ガバナンスの強化
4月1日に、弁護士等の第三者により構成されるコンプライアンスチームを設置しました。5月17日には第1回会合を開催し、内部公益通報制度の活用や職員の意識を高めるための方策など、コンプライアンス確保のための取組について議論を行いました。【取組の3】
また、内部公益通報の規程を整備し、省内窓口を省改革推進・コンプライアンス室に設置するとともに、通報者保護を図りつつ、同室がコンプライアンスチームの指導・助言を受けることとしました。さらに、男女各2名の若手弁護士に職員が相談できる体制を5月に整備しました。身近な職員からの相談に乗る「コンプライアンス等相談員」については、5月に規程を整備し、各局課に配置する相談員を選定したところです。【取組の4】
文書管理については、4月1日に公文書監理官を配置するとともに、公文書管理に係る内部通報窓口を新たに設置しました。【取組の5】
幹部のリーダーシップの確立のための業務運営上の方針については、次官以下課室長級以上の職員が6月下旬までに方針の策定・周知を行いました。【取組の7】
基本方針、行動指針については、職員が常に携帯できるように、名刺の裏に印刷できるようなテンプレートの作成を検討しています。【取組の8】
このほか、自由闊達な組織文化を醸成するため、次官等の幹部と若手職員とのランチミーティングを4月から6月の間に9回開催しました。【取組の9】

(2)文部科学省を担う人材の強化(人材育成・採用・配置等の改革)
人事配置については、4月時点において、総合職以外の採用区分から本省幹部(課長級以上)に7名登用するなど、採用区分等にとらわれず、資質・能力・適性に応じて進めています。【取組の11】
多面観察については、平成30年度に室長・企画官級以上の職員全員を対象に実施しており、所属長からのフィードバックを通じて、マネジメント能力の向上、職場環境の改善、組織としてのパフォーマンスの向上を推進していきます。【取組の12】
職員の多様な資質向上の機会を確保するため、新規採用等研修において教育現場研修を創設したほか、今後、幹部職員も対象にした公務員倫理研修及び管理職マネジメントに関する研修を拡充予定です。【取組の13 • 25 • 26】
また、「人材育成の基本的な考え方」については、夏頃を目途に策定する予定です。【取組の22】

(3)現場に根差した政策立案機能の強化
4月下旬から、AI等の先端技術の文部科学施策への活用方策等をテーマに提案型政策形成を試行的に実施しており、今後、職員からの提案について書面審査、担当課とのブラッシュアップを経て、幹部職員及び文部科学省AI戦略推進タスクフォース構成員へのプレゼンテーションを行うこととしています。この試行的取組の成果と課題を踏まえ、7月上旬を目途にテーマを限定しない提案募集を開始する予定です。【取組の29】
「省内公募ポスト」については、省内の4ポスト(審議官級1、企画官・室長級3)について5月に公募を実施しました。【取組の30】
また、政策立案機能強化、人材育成・交流のため、政策立案教養研修(Driving MEXT Project、以下、ドラメク)を平成29年度より開催し、企業・大学・自治体・NPO関係者等との政策対話を実施しており、今後もこうした政策対話を月1回程度開催し、省内職員と産学官民の幅広い現場と交流を図ることとしています。【取組の32】
このほか、国研及び科政研も参加するEBPM関係課長等会議を開催し、分野の特性に応じたEBPMの検証を行うため、5月に省内研修を実施した上で、EBPMに取り組む事業等を省内公募し、外部有識者の助言も得つつ、事業の質の向上等を図ることにより、政策立案・実行機能を強化することとしています。
また、概算要求過程でEBPMを活用するとともに、企画担当と予算担当の連携の促進を図ることで、施策の精度を向上させていきます。【取組の34】

(4)広報機能の強化
4月より、大臣官房の総括の下、一元的に省内の報道発表案件を事前に確認する体制を構築し、報道方法、公表のタイミング等について、全省的観点から助言を行うことをとおし、戦略的な広報を推進していきます。【取組の35】
また、6月には有志の広報推進チームの公募を実施しました。【取組の31 • 36】
このほか、職員の広報意識及びスキルの向上のため、報道対応に加え、HPやSNS等による情報発信スキル習得を目的として研修の内容を充実させるとともに、施策等の広報活動の立案・実施に際し、職員が広報の専門的知識を有する専門家に気軽に相談できる場として、ランチミーティング(月1回開催)を定期的に開催しています。【取組の41 • 42】

(5)業務改善を推進する新体制の構築
「業務改善の徹底」を進めるため、次官を議長とし、局長級の幹部職員で構成する「業務改善実行会議」を設置し、4月22日に第1回を開催しました。この会議において、新しい業務改善の体制や進め方について確認し、他省庁の先進的な事例として、総務省行政管理局のオフィス改革等の取組について担当局長からヒアリングを行いました。また、審議官や課室長級の職員に対しても、「業務改善に関する研修」を開催し、担当課長から同局の取組についての講演をしていただきました。【取組の43】
「文部科学省業務改善改革計画」については、5月に業務改善に関する職員の意識調査を実施し、その結果を踏まえて計画策定に向けた考え方を各部局に示し、意見交換を実施しました。【取組の44】
各部局においては、有志の職員157名を「業務改善推進員」として発令し、部局別の「業務改善グループ」を作って創意工夫を凝らした業務改善の取組を進めています。これらの各部局の取組については「業務改善実行会議」で事例を共有し、横展開するなどして省全体としての取組を一層進めることとしています。【取組の31 • 45】
また、部局横断的な業務改善課題についても5月に課題解決チームを設置し、キックオフ・ミーティングを開催しました。【取組の46】

現職職員の逮捕事案の発生
令和元年5月、改革の実行をスタートさせた矢先に、現職の職員が覚せい剤取締法違反及び大麻取締法違反の容疑で逮捕されるという、再び行政に対する国民の信頼を失う事案が起こりました。
組織風土改革・職員の意識改革など信頼回復に全省をあげて取り組んでいる中で、このような事案が起きたことは誠に残念であり、今一度、文部科学省として猛省しなければならないところです。
5月29日には、全職員に対し、法令遵守の徹底について大臣からの訓示を行いました。
また、省改革推進・コンプライアンス室において、コンプライアンスチームの指導を受け、調査・検証等の対応を行っています。【取組の6】
今後、文部科学省としては、捜査当局が行う捜査に全面的に協力するとともに、この事態を深刻に受け止め、綱紀の粛正を徹底し、さらなる再発防止と国民の信頼回復に向けて全力を挙げてまいります。
あわせて、管理職による全職員への面談などを通じたきめ細かな職員の状況の把握、カウンセラーなどの外部専門家の配置の充実、メンター制度の更なる充実、心身の健康保持のための研修の充実など、職員の抱えている公私を問わない悩みなどの相談を受ける体制の抜本強化により、職員が心身ともに健康な状態で職務に専念できるようにしてまいります。

おわりに
文部科学省の「創生」に向けた取組はまだ始まったばかりです。
一度失った国民の信頼は簡単には回復できないということをしっかりと肝に銘じ、危機感を失うことなく、「真に国民から求められていることは何か」を常に問いながら、これからの改革の歩みを進めてまいります。
国民の皆様、関係者の皆様におかれては、本改革の趣旨を御理解いただき、文部科学省職員に対し、是非忌憚のない御意見をいただければと思っております。

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