読み上げる

総合教育政策局の発足

文部科学省総合教育政策局

1 総合教育政策局の設置について
人生100年時代、超スマート社会(Society5.0)、グローバル化や人口減少など社会構造は急速に変化しており、教育を取り巻く環境も大きく変化していくと考えられます。こうした変化に対応し、これをリードし、更に新しい価値を創造することのできる人間を育成していくために、教育分野の筆頭局として平成30年10月に総合教育政策局を設置しました。

総合教育政策局のミッション1
学校教育・社会教育を通じた総合的かつ客観的根拠に基づく教育政策を推進
(1)総合的かつ客観的根拠に基づく教育改革政策の推進
■政策課
教育政策推進の中核として、総合的・計画的な教育政策の企画立案・調整機能を有し、教育関係施策の総括及び調整を行います。「中央教育審議会」の運営や「教育振興基本計画」の策定等において、社会の変化に対応し、「調査企画課」との緊密な連携の下、総合的かつ客観的根拠に基づく教育政策ビジョンを形成するとともに、当該ビジョンに基づく政策の立案をより効果的に推進します。

■教育改革・国際課
教育のグローバル化や情報化など我が国の教育環境の変化等を迅速に捉え、広く教育改革に関する動向の調整及び取りまとめを行い、時宜にかなった教育改革を推進します。
在外教育施設への支援や国際理解教育の推進を初等中等教育局から移管するなど教育分野の国際関連業務も担当し、国際的な動向を踏まえた教育政策の企画・推進を効果的に行います。

■調査企画課
教育における総合的かつ客観的根拠に基づく政策立案(Evidence-Based Policy Making:EBPM)を推進するため、「調査統計企画室」を課に昇格させ、学校基本調査や社会教育調査等の基幹統計調査のほか、初等中等教育局から「全国学力・学習状況調査」を移管しました。
また、グローバルな視点から教育政策を検討するため、外国調査を担当するとともに、国立教育政策研究所とも連携を強化しつつ、国際動向を踏まえた、未来に向けての政策立案のため、総合的な情報の蓄積を図ります。
これらを通じ、教育関係の政策調査等から得られる情報や知見を政策立案につなげる機能を強化します。

(2)教育を支える専門人材育成政策の強化
■教育人材政策課
従来初等中等教育局と高等教育局とに分かれて担当していた教員の養成・免許・研修についての業務を一元化し、より総合的・効果的に実施します。社会教育主事等の社会教育関係人材の養成・研修に関する業務もほかの部局とも連携しつつ行うことで、教育を支える専門人材の育成政策の総合的な推進を目指します。
総合教育政策局のミッション2
生涯にわたる学び、地域における学び、ともに生きる学びの政策を総合的に推進
(1)人生100年時代を豊かに生きる「生涯にわたる学び」の推進
■生涯学習推進課
人生100年時代においては、生涯にわたって職業人として活躍するための能力やスキルの育成を含め、学校教育・社会教育を通じた「生涯にわたる学び」を推進することがより重要なものとなります。
このため、専修学校教育の振興に加え、大学等におけるリカレント教育や初等中等教育におけるキャリア教育・職業教育も含めた関係施策を取りまとめ、「だれでも、いつでも、どこでも学べる社会」を実現するための総合的な舵取りをします。
また、各種検定試験や高卒程度認定試験など学びの成果を適切に評価する仕組みの設計や運用を行うとともに、他府省の様々な生涯学習関連施策との協力を進めるなど、誰もが生涯に何度でも質の高い学習活動を行えるようにするための基盤整備に取り組みます。

(2)活力ある社会を持続可能とする「地域における学び」の推進
■地域学習推進課
人口減少社会において、活力ある社会を持続可能なものとするための鍵は、住民の主体的な社会参画にあります。
住民一人一人の人生を豊かにする学習、少子高齢化や人口減少など地域が直面する課題の解決や地域活性化のための学習など「地域における学び」を学校教育とも連携しながら強力に推進します。また、学校や家庭との連携が不可欠な青少年教育及び家庭教育支援に関する業務を集約するとともに、社会教育・青少年教育・家庭教育支援等に関する団体との連携の強化や施設の活性化等にも取り組みます。

(3)互いを認め、支え合い、誰もが社会に参画する「ともに生きる学び」の推進
■男女共同参画共生社会学習・安全課
互いを認め、支え合い、誰もが自信と誇りをもって社会に参画し、性別や国籍の違い、障害の有無などに関わらず人々が安全安心に生き生きと暮らしていくためには、人々の社会参画と活躍の基盤となる学びの環境整備が必要です。
そこで、男女共同参画社会形成に関する学習活動、障害者の生涯学習や外国人児童生徒への指導など「ともに生きる学び」を総合的に支援し推進します。また、安全・安心な共生社会を実現するために、地域と密接に結びついた学校安全の推進や青少年の有害環境対策も一元的に担います。
また、児童生徒等が自らの生命や身体を守るとともに、安全・安心な共生社会を実現するため、安全教育を担う室を新設しました。

2 総合的かつ客観的根拠に基づく教育政策
上記のミッションを踏まえ、総合教育政策局では様々な施策・取組を進めています。

○教育振興基本計画
教育振興基本計画とは、教育基本法の定める教育の目的や目標の実現に向け、同法第17条第1項に基づき、政府が策定する計画であり、平成30年6月15日に第3期目となる計画(計画期間:2018年度~2022年度)が閣議決定されました。

■2030年以降を展望した教育政策の重点事項・基本的な方針・留意すべき視点
第3期計画においては、人生100年時代や超スマート社会(Society5.0)といった2030年以降の社会像を展望した上で、第2期計画が掲げた「自立」、「協働」、「創造」の三つの方向性を実現するための生涯学習社会の構築を目指すという理念を引き続き継承するとともに、激動の時代を豊かに生き、未来を開拓する多様な人材を育成するために、「生涯にわたる一人一人の『可能性』と『チャンス』の最大化」を今後の教育政策の中心に据えることとしています。
また、この「生涯にわたる「可能性」と「チャンス」の最大化」に向けた視点と、教育政策を推進するための基盤に着目し、以下の五つの基本的な方針を設定しています。
①夢と志を持ち、可能性に挑戦するために必要となる力を育成する
②社会の持続的な発展を牽引するための多様な力を育成する
③生涯学び、活躍できる環境を整える
④誰もが社会の担い手となるための学びのセーフティネットを構築する
⑤教育政策推進のための基盤を整備する
その上で、方針ごとに、教育政策の目標、目標の進捗状況を把握するための測定指標及び参考指標、目標を実現するために必要となる施策群について整理しています。
さらに、今後の教育政策の遂行に当たって特に留意すべき視点として、以下の3点を示しています。
•客観的な根拠を重視した教育政策の推進(教育政策におけるPDCAサイクルの確立、EBPM推進体制の構築など)
•教育投資の在り方(教育費負担軽減、各教育段階における教育の質の向上など)
•新時代の到来を見据えた次世代の教育の創造(次世代の学校の在り方についての研究開発、地域課題解決に向けた社会教育システムの構築など)

■各地方公共団体における計画の策定と今後の方針
教育基本法第17条第2項に基づき、各地方公共団体においては、国の第3期計画を参酌し、その地域の実情に応じた計画の策定・見直しに努める必要があります。
今後、文部科学省においては、第3期計画期間中の各目標の達成状況を各測定指標、参考指標をもとにフォローアップを行い、施策の改善・充実を図っていく予定です。
なお、第3期計画の本文・パンフレットは、文部科学省のホームページから御覧ください。
http://www.mext.go.jp/a_menu/keikaku/detail/1406059.htm

○Society5.0時代の人材育成
人工知能(AI)、ビッグデータ、Internet of Things(IoT)、ロボティクス等の先端技術が高度化してあらゆる産業や社会生活に取り入れられるなど、社会の在り方そのものが劇的に変わろうとしています。文部科学省では、そのようなSociety5.0という新たな時代を迎えるに当たり、広く国民にはどのような能力が必要か、また、社会を創造し先導するためにどのような人材が必要か、更には、そのために我が国の教育政策として今後講ずべき取組は何かを検討するため、議論を重ねてきました。議論に当たっては、幅広い分野の有識者の参画を得たほか、文部科学省の多くの若手職員も参加し、自由闊達な議論を行いました。
平成30年6月5日、Society5.0における人材像や学びの在り方、今後の教育政策の方向性等をまとめ、「Society5.0に向けた人材育成~社会が変わる、学びが変わる~」を公表しました。とりまとめにおいては、まず、Society5.0の社会像を描いた上で、現実世界を理解し意味づけできる等の「人間の強み」を発揮し、AI等を使いこなしていくために、
•文章や情報を正確に読み解き対話する力
•科学的に思考・吟味し活用する力
•価値を見つけ生み出す感性と力、好奇心・探求力
が共通して求められることを指摘しました。
そして、このような力を育んでいくためにも、
•学校がこれまでの一斉一律授業のみならず、個人の進度や能力等に応じた学びの場となること
•同一学年集団の学習に加え、異年齢・異学年集団での協働学習が拡大していくこと
など、「学びの在り方の変革」を打ち出しています。
その上で、取り組むべき政策の方向性として、
①公正に個別最適化された学びの実現
②基盤的な学力や情報活用能力の習得
③大学等における文理分断からの脱却
といった三つの方向性を掲げました。
これらの方向性に関して、リーディング・プロジェクトも掲げたところ、2019年度予算においても関連事業を計上しており、今後できるものから速やかに具体的施策を進めてまいります。

○EBPMの推進
「経済財政運営と改革の基本方針」(いわゆる骨太の方針)等に基づき、政府全体としてEBPMの推進が求められています。また、平成30年6月に閣議決定された第3期教育振興基本計画において、特に留意すべき視点の柱の一つとして「客観的な根拠を重視した教育政策の推進」が位置付けられており、行政組織の体制整備や調査等の改善・充実などを通じた基盤形成とPDCAサイクルの推進が必要となっています。
文部科学省においては、昨年10月の組織再編の際に、教育分野のEBPMの推進を担当する課を新設するとともに、今年度新たに「EBPMをはじめとした統計改革を推進するための調査研究」を実施し、大学生の学修成果の可視化に資する調査の実施をはじめとした客観的な根拠の開発に資する取組や、調査の改善を通じたEBPM推進の基盤整備等を進めることとしています。
今後、国の取組状況や地方自治体における先進事例について情報共有しつつ、文部科学省及び各地方自治体における教育政策の立案や学校における取組の改善・充実等が、客観的な根拠に基づいて実施されるよう、取組を推進してまいります。

○全国学力・学習状況調査
客観的な根拠を重視した教育政策を推進し、教育に関する継続的なPDCAサイクルを確立する観点から、全国学力・学習状況調査を活用していただくことは重要です。
本調査は、
①国においては、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析して、教育施策の改善・充実に生かすこと
②教育委員会においては、自治体や学校の学力水準を検証し、教育委員会の施策の改善・充実に生かすこと
③学校では、個々の児童生徒の学習状況を把握して指導に生かすとともに、学校全体として指導方法の検証・改善につなげること
を目的として、平成19年度から実施しています。
平成31年度は、4月18日(木)に、小学校6年生を対象に国語、算数の2教科、中学校3年生を対象に国語、数学、英語の3教科の悉皆調査を行います。平成30年度からの主な変更点は2点あり、一つは中学校における英語4技能(「聞くこと」「読むこと」「話すこと」「書くこと」)の調査の実施、もう一つは従来のA問題、B問題の枠組みを見直し、知識と活用を一体的に問う調査問題となることです。
中学校の英語調査は、英語教育の充実のため、平成31年度から3年に1度程度、新たに実施されることとなりました。本調査により、英語についても生徒の学力・学習状況や学校における指導状況を把握することができることは、英語4技能の育成に向けた重要な一歩となります。特に4技能のうち「話すこと」については、コンピュータに音声を吹き込む音声録音方式という、初めての筆記以外の調査方式となります。
英語についても、他の教科と同様に、「解説資料」「報告書」「授業アイディア例」等を公表予定です。これらにより、本調査の結果の積極的な活用を通じた教育委員会や学校の取組がより一層充実したものとなるよう、支援してまいります。
また、知識と活用を一体的に問う調査問題は、2020年度からの新学習指導要領を踏まえ、その趣旨を具体的に示すことを目指しています。この取組を、各学校における授業の一層の改善と児童生徒の学習意欲向上に役立ていただけるように努めてまいります。

○教育の無償化・負担軽減
誰もが家庭の経済事情に関わらず、希望する質の高い教育を受けられることは大変重要です。また、我が国においては、教育費の負担が少子化の要因の一つとなっており、少子化対策の観点からも、教育の無償化・負担軽減を進めることが不可欠です。
教育の無償化・負担軽減については、昨年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2018」等において、
①3歳から5歳までの子供たちの幼児教育の無償化(2019年10月~実施)
②授業料減免や給付型奨学金の拡充による、低所得世帯の真に支援が必要な子供たちへの高等教育の無償化(2020年4月~実施)
③年収590万円未満世帯を対象とした私立高等学校授業料の実質無償化(2020年4月~実施)
等が盛り込まれたところです。
幼児教育及び高等教育の無償化・負担軽減については、本通常国会に関係法律案を提出したところですが、引き続き、制度の具体化や周知に向けてしっかりと取り組んでまいります。

3 グローバル社会における教育の推進
社会経済のグローバル化や少子高齢化の中で、今後、我が国の社会経済を新たな成長軌道に乗せるためには、世界を舞台に活躍できる創造的で活力のある若い世代の育成が急務となっています。
こうした流れを踏まえ、高校生留学の促進、在外教育施設における教育等に取り組んでいます。

○高校生留学の促進
第3期教育振興基本計画において、伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度や、豊かな語学力・コミュニケーション能力、主体性・積極性、異文化理解の精神等を身に付けて様々な分野でグローバルに活躍できる人材を育成することを目標に掲げていること等を踏まえ、高校生の海外留学をはじめ、グローバル人材の基盤形成に取り組む都道府県を支援しています。
具体的には、自治体、学校、民間団体等が主催する海外派遣プログラムへの参加に対し、都道府県を通じて留学費用の一部を支援する事業を実施しており、今年度は1,500人の高校生を対象とする予定です。
また、都道府県における高校生留学を推進するため、留学フェア等を開催し、留学経験者や海外勤務経験者による講話の機会等を提供するとともに、留学に関する各種相談や関係機関との調整等に対応するコーディネーターの設置を支援し、留学への機運醸成に取り組んでいます。
さらに、グローバル人材の育成に国を挙げて取り組むため、これら国費による支援に加え、官民協働海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」により、官民協働で日本人留学生を支援しています。平成27年度より高校生コースによる支援を開始し、今年度は800人の留学を支援することとしています。

○在外教育施設における教育の充実
我が国の経済の国際化の進展に伴い多くの日本人が子供を海外に同伴しており、平成30年4月現在、海外に在留している義務教育段階の子供の数は、84,247人となっています。
文部科学省では、海外子女教育の重要性を考慮し、日本人学校や補習授業校の教育の充実・向上を図るため、日本国内の義務教育諸学校の教師を派遣するとともに、退職教師をシニア派遣教師として派遣しています。平成30年度からは、正規に採用される前の若手教師を派遣するプレ派遣制度を創設するなど、派遣教師の一層の確保に努めています。
平成29年度には、派遣教師の魅力を高める「トビタテ!教師プロジェクト」の立ち上げなど教育環境の更なる整備・充実に取り組んでいます。そのプロジェクトの一環として、平成30年度から帰国教師の能力や知識、経験を国内の教育に還元・共有するため、帰国教師間のネットワーク作りに取り組んでおり、平成30年8月には、帰国教師フォーラムを開催しました。
また、平成30年12月、省令改正を行い、これまで学校教育法第1条に定める学校(小学校、中学校、高等学校等)に実施が限られていた教育実習について、平成31年4月から、日本人学校及び私立在外教育施設においても可能となりました。これを踏まえて、日本人学校等で教育実習を行った学生が各都道府県等教育委員会の教員採用試験を受験することがあった際には、積極的に評価いただくようお願いしています。
さらに、教育環境の整備として、義務教育教科書の無償給与、教材の整備、通信教育の実施などを行っています。

4 教師の資質能力向上
子供たちの成長を担う教師に求められるのは、いかに時代が変化しようとも、その時代の背景や要請を踏まえつつ、自らが子供たちの道しるべとなるべく、その資質の向上を図り続けることです。ここでは、教師の養成・採用・研修を通じた資質能力向上に関する施策の状況等について紹介します。

○教職課程の再認定について
平成30年度、特別支援学校教諭免許状の課程を除く全ての教職課程は、平成28年度及び29年度の法令改正を踏まえ、新たな教育課題に対応する授業科目や専任教員などの体制を整えて、改めて文部科学大臣の認定を受けました。これにより、平成31年4月以降に入学する学生は、改正後の新しいカリキュラムを大学等で学び、教員免許状を取得することとなります。

○教員免許状更新講習について
平成31年度(2019年度)は、制度創設した平成21年4月以降に教員免許状を取得した方々の受講も本格的に始まるなどしているため、2020年3月31日に教員免許状の期限を迎える方が多く、2019年は、例年と比較して受講者が二倍程度と見込まれています。
各都道府県、指定都市、中核市の教育委員会においては、更新講習の開設を積極的に検討いただくとともに、意図せずに失効する方が生じないよう、公立学校の教員はもとより、私立学校を所管する部署や認定こども園を所管する部署とも連携を密にし、教員免許更新制の周知、受講対象者への働きかけ及び指導の徹底を図ることが重要です。

○外部人材の活用促進について
優れた知識経験等を有する社会人等を教師として迎え入れることは、学校教育の多様化への対応やその活性化を図るために重要なことであり、平成30年11月に柴山文部科学大臣が発表した「新時代の学びを支える先端技術のフル活用に向けて~柴山・学びの革新プラン~」においても、教育の質向上のための優れた外部人材の積極的活用を進めることとしています。
教員免許状を持っていない地域の人材や社会人等を学校現場に迎え入れるための制度としては、特別非常勤講師や特別免許状があります。
特別非常勤講師は、届出により教員免許状を有しない非常勤講師を登用し、教科の領域の一部を担任させることができるものです。また、特別免許状は、専門的な知識経験や技能を有する者が、都道府県教育委員会の行う教育職員検定に合格した場合に授与されるものであり、これによって教科の全体を担任することができます。
各教育委員会においても、各地域の特色ある教育課程を実施するに当たり、外部人材の活用について積極的に御検討いただくことが重要です。

○研修の改善について
教職員に対する研修の実施内容については、新しい学習指導要領等を踏まえ、学習指導、生徒指導を中心として様々な教育課題について取り上げられていますが、学校が抱える課題が複雑化、多様化する中、近年、それらも含めて様々な教育課題について教職員研修において取り扱うことが求められているところです。例えば、近年の事案を踏まえた児童虐待への対応、成年年齢の引き下げを踏まえた消費者教育、新しい学習指導要領を踏まえたプログラミング教育などが挙げられます。
各地域においては、そのような要請を踏まえ、教職員研修の充実が図られることが期待されています。

5 生涯にわたる学びの推進
○生涯にわたる多様な学習機会の提供
「生涯学習」とは、一般には人々が生涯に行うあらゆる学習、すなわち、学校教育や家庭教育、社会教育における学習、文化活動、スポーツ活動、レクリエーション活動、ボランティア活動、企業内教育、趣味など様々な場や機会において行う学習の意味で用いられます。文部科学省は、「教育基本法」の精神にのっとり、国民一人一人が自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会にあらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現を目指して、生涯学習の振興に取り組んでいます。以下では、生涯学習の機会の整備に関する具体的な取組について御紹介します。
例えば放送大学では、テレビ・ラジオの放送やインターネット等を活用して大学教育の機会を幅広く国民に提供しており、いつでも誰でも学ぶことができます。放送大学の学生は職業・年齢・地域を問わず多様であり、現在約9万人が学んでいます。放送大学では、社会人の方々が専門性を高めたり、キャリアアップをしたりするために、学芸員や公認心理師・認定心理士などの資格に対応する科目を開講しているほか、教師向けにも教員免許更新講習や小学校の外国語指導力向上のための科目、小学校プログラミング教育指導に対応した講座(平成31年4月開始)を実施しています。また、全国に学習センター等を設置して学生の学習を支援するとともに、地域の生涯学習の振興にも寄与しており、放送大学は我が国の生涯学習の中核的機関として大きな役割を担っています。
また文部科学省は、学校又は一般社団法人若しくは一般財団法人の行う通信教育のうち社会教育上奨励すべきものを認定し、その普及・奨励を図っています。平成31年3月末現在、文部科学省認定社会通信教育は26団体110課程であり、平成30年における1年間の延べ受講者数は約7万2,000人となっています。
民間教育事業者や教育分野で活動を行うNPO法人などの民間団体は、社会づくりや地域づくりの重要な担い手として、国民の多様な学習活動を支える上で大きな役割を果たしており、ますます重要なものになっています。文部科学省は、民間団体と行政の協働による取組の充実を図るとともに、民間教育事業の後援等を行うほか、民間団体の取組を紹介するなど、民間団体の取組の活性化や官民のネットワーク形成を支援しています。
このほかにも、文部科学省では、高等学校を卒業していない者などに対して、高等学校卒業者と同程度以上の学力があることを認定する高等学校卒業程度認定試験を実施しています。この試験の合格者には、大学等の入学資格が付与されます。平成30年度における出願者数は2万4,151人、受験者数は2万1,220人、合格者数は9,224人となっています。出願者のうち約半数となる50.2%を高等学校中途退学者が占めており、試験合格者のおよそ半数は大学等に進学しています。また、就職などの機会においても学力を証明する手段として活用されています。

○リカレント教育の推進
我が国は、健康寿命が世界上位の超長寿社会を迎えています。人々が、これまでの「教育・仕事・老後」という3ステージの単線型の人生ではなく、マルチステージの人生を送るようになる人生100年時代を見据え、平成29年9月に「人生100年時代構想会議」が設置されました。同会議において平成30年6月に取りまとめられた「人づくり革命基本構想」には、リカレント教育の抜本的拡充について述べられています。
こうした動きも踏まえ、文部科学省では、社会人向けプログラムの新規開発・拡充や社会人学習者への支援を強化していきます。
具体的には、大学や専修学校におけるリカレントプログラムの開発促進、産学の連携による人材育成システムの構築、放送大学のオンライン授業や実務型プログラム等の充実のほか、女性の学びとキャリア形成・再就職支援を一体的に行う仕組みづくり、リカレント教育の講座情報等を提供するポータルサイトの整備などを実施します。また、大学や専修学校等における企業等との連携による実践的・専門的な短期プログラムの文部科学大臣の認定(職業実践力育成プログラム(BP)、キャリア形成促進プログラム)も推進し、リカレント教育の抜本的拡充に取り組んでいきます。

○専修学校教育の振興
専修学校は、昭和50年7月の制度創設以来、柔軟で弾力的な制度の特色を生かして、社会の変化に即応した実践的な職業教育を行う中核的機関として、産業界を支える職業人の養成に大きな役割を果たしてきました。
平成30年5月現在、3,160校の専修学校で約66万人の生徒が学んでいます。中でも専門課程(専門学校)は、高等教育機関の重要な一翼を担うとともに、多様なキャリア形成を担う職業教育機関としても高く評価されており、高等課程(高等専修学校)においては、高等学校と並ぶもう一つの後期中等教育機関として、個性ある幅広い職業教育が実施されています。
社会の高度化・複雑化が進み、実践的に活躍する専門職業人を養成する専修学校の役割がますます重要になっていく中、文部科学省では、専修学校における地域の中核的人材養成に向けた産学官連携の取組等に対する支援や、「職業実践専門課程」を中心とした専修学校教育の質の保証・向上の推進など様々な振興策に取り組んでいます。
また、平成30年度には、社会人等を対象とした実践的な短期プログラムを文部科学大臣が「キャリア形成促進プログラム」として認定する制度を新たに創設するなど、リカレント教育の充実に向けた取組を拡充しました。引き続き、これらの取組を進めるほか、高等教育をはじめとする教育費負担の軽減に向けた経済的支援についても、より一層推進していくこととしています。

6 地域における学びの推進
人口減少や高齢化をはじめとする急速な社会経済環境の変化や取り組むべき課題の複雑化を受け、今後、我が国の地域社会においては、住民主体でこれらの課題や変化に対応することが求められています。また、各地域において地域固有の魅力や特色を改めて見つめ直し、その維持発展に取り組むことが期待されているところです。こうした中で、地域における学びは、一人一人の知的欲求の充足や自己実現に寄与するとともに、住民相互のつながりの形成の促進、地域の持続的発展にも資することから、より一層重要になっており、文部科学省としては、以下のように、地域における学びの推進に努めているところです。

○「人口減少時代の新しい地域づくりに向けた社会教育の振興方策について」(答申)
昨年12月、中央教育審議会において「人口減少時代の新しい地域づくりに向けた社会教育の振興方策について(答申)」がとりまとめられました。
答申においては、地域における社会教育の意義や果たすべき役割についてのこれまでの検討を踏まえ、今後「『社会教育』を基盤とした人づくり・つながりづくり・地域づくり」が一層重要であるとされ、新たな社会教育の方向性として「開かれ、つながる社会教育」が提示されています。
その上で、今後の社会教育の展開に当たっては、
①住民の主体的な参加のためのきっかけづくりを工夫すること
②ネットワーク行政の実質化として、社会教育行政担当部局と首長部局、学校、NPO、企業等の多様な主体との一層の連携・協働を図ること
③学びや活動と参加者をつなぎ、地域の学びと活動を活性化する多様な人材の活躍を後押しすること
が重要であるとされているところです。
さらに、社会教育施設の在り方として、今後の社会教育施設には、地域の学習拠点としての機能に加え、住民主体の地域づくりや、持続可能な共生社会の構築に向けた取組の拠点等としての役割も求められていくとし、その上で、地方公共団体の長が公立社会教育施設を所管できることとする特例については、社会教育の適切な実施の確保に関する制度的担保が行われることを条件に、可とすべきとされています。これを踏まえ、本特例の制度化のため、関係法の改正案が本通常国会に提出されたところです。
答申は、文部科学省のホームページ上に公開されていますので、是非御一読ください。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1412080.htm
文部科学省としては、この答申を踏まえ、社会教育の振興に一層力を入れてまいります。

○学校、家庭、地域の連携・協働
新しい学習指導要領では、「社会に開かれた教育課程」の実現を求めており、学校教育を学校内に閉じず、地域の人的・物的資源を活用しながら教育課程を実施することが重要です。
また、子供や学校の抱える課題の解決、未来を担う子供たちの豊かな成長のためには、学校のみならず、家庭、地域が総掛かりとなる教育の実現が不可欠です。
そのため、文部科学省では、平成29年3月に改正された「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」に基づき、学校と地域住民等が目標やビジョンを共有し、一体となって子供たちを育む、地域とともにある学校づくりを実現するため、「コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)」の導入を推進しており、全ての公立学校に学校運営協議会が設置されることを目指しています。
また、同年に改正された「社会教育法」に基づき、幅広い地域住民等の参画により形成された緩やかなネットワークである「地域学校協働本部」の整備により、地域全体で子供たちの学びや成長を支える様々な活動である「地域学校協働活動」を推進しており、全ての小中学校区において地域学校協働活動が推進されることを目指しています。
こうした活動は、地域との信頼関係を醸成することや幅広い地域ボランティアの参画による学校と地域の役割分担の観点から、学校における働き方改革にも資するものです。
さらに、地域と学校をつなぐコーディネーターである「地域学校協働活動推進員」を中心に「コミュニティ・スクール」と「地域学校協働本部」が一体的に機能することで、目標・ビジョンの共有を通じた学校と地域の更なる連携・協働が推進されるなどの相乗効果が期待されます。
家庭教育支援の推進については、各地域における、①地域人材の養成、②家庭教育支援体制の構築、③家庭教育を支援する取組に加え、④訪問型家庭教育支援を含めた支援活動の強化を図るための取組の推進など、地域における家庭教育支援の基盤構築に向けた取組を支援してまいります。

○読書・体験活動の推進
①読書活動の推進
読書は、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、人生を深く生きる力を身に付ける上で欠かせないものです。文部科学省は「子どもの読書活動の推進に関する法律」及び「第四次子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」を踏まえ、広く読書活動に対する国民の関心と理解を深めるため、様々な取組を実施しています。
地域における読書活動については、図書館が「地域の知の拠点」として住民にとって利用しやすく、身近な施設となるための環境の整備を進めており、「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」に基づき、施設・設備や読み聞かせ等のサービスの充実の推進に努めています。
また、学校図書館については、公立義務教育諸学校における学校図書館の図書を充実するため、学校の規模に応じた蔵書数の目標を定めた「学校図書館図書標準」の達成と計画的な図書の更新等に向けて、平成29年度から33年度までの「学校図書館図書整備等5か年計画」を策定しています。

②体験活動の推進
青少年の体験活動は人づくりの「原点」であり、学校・家庭・地域が連携して社会総がかりでその機会を創出していくことが必要です。文部科学省では、家庭や企業などに対して体験活動の重要性等について普及啓発を行うとともに、学校・家庭・地域における体験活動を推進しています。
具体的には、社会全体で体験活動を推進するための機運の醸成や民間団体・民間企業との連携により体験活動の推進を図る事業、自己肯定感の向上に効果的な事業の普及を行っています。
また、独立行政法人国立青少年教育振興機構においては、全国28箇所の教育施設で、それぞれの立地条件を生かした特色ある活動を展開し、生きる力の育成に必要な自然体験活動、集団宿泊活動をはじめ、多様な体験活動の機会を提供しています。さらに、未来を担う夢を持った子供の健全育成を進めるため、「子どもゆめ基金」事業を通じて民間団体による様々な体験活動や読書活動などを助成し、草の根レベルの体験活動等を支援しています。

7 共に生きる学びの推進
○男女共同参画の推進
男女が共に仕事と家庭、地域における活動に参画し、活躍できるような社会の実現を目指すためには、個人の可能性を引き出すための学びが必要とされています。
このため、平成29年度から、「男女共同参画推進のための学び・キャリア形成支援事業」として、女性がリカレント教育を活用して復職・再就職しやすい環境整備の在り方や、大学等、地方公共団体、男女共同参画センター等の関係機関が連携し、地域の中で女性の学びとキャリア形成・再就職支援を一体的に行う仕組みづくりに関するモデル構築や普及啓発のための研究協議会の開催等を実施しています。平成31年度は、子育て等で離職中の女性を対象として、生活における多様なチャンネルを通じ、自身のライフプランニングを促す広報の方法・内容等の検証を新たな取組として拡充を図る予定です。
さらに、少子高齢化、生産年齢人口の減少が進む中、女性の社会参画への期待が高まっていますが、いまだ我が国では経済や政治への参画等において男女格差が大きく、世界経済フォーラムが発表したジェンダー・ギャップ指数においても、経済分野における女性管理職の割合、政治分野における国会議員(閣僚含む)の女性割合が低く、意思決定に関わる女性が少ない現状にあります。
こうした状況の中、文部科学省では、平成31年度から新規で「次世代のライフプランニング教育推進事業」として、次世代を担う若者が、固定的な性別役割分担意識にとらわれず主体的に多様な進路を選択することができるよう、学校教育段階から男女共同参画意識の醸成を図るため、高等学校等で活用できるライフプランニング教育プログラムや、教員研修プログラムを2か年で開発することとしています。平成31年度は、高校生・大学生を対象としたライフプランニング教育のモデルカリキュラムの開発・試行をするとともに、教員研修プログラムの開発を行うために必要となる基礎データ及び資料を得ることを目的とする調査研究を実施することとしています。

○障害者の生涯を通じた学習活動の充実
「障害者の権利に関する条約」(障害者の生涯学習の確保を規定)の批准や、「障害者差別解消法」の施行等を踏まえ、障害者が、生涯にわたり自らの可能性を追求できる環境や、誰もが障害の有無にかかわらず、共に学び、生きる共生社会の実現に向けて、地域における学びの場を整備・拡大することが求められています。
文部科学省では、平成30年度から「学校卒業後における障害者の学びの支援に関する実践研究事業」を開始し、全国18団体が学校から社会への移行期や人生の各ステージにおける効果的な学習プログラム、実施体制、関係機関・団体等との連携等に関する実証的な研究等に取り組みました。
平成31年度は、引き続き実践研究事業を継続しながら、更に障害理解の促進、実践者同士の学び合いによる担い手の育成、障害者の学びの場の拡大を目指して、「共に学び、生きる共生社会コンファレンス」を全国5~6か所程度で開催します。
このコンファレンスでは、都道府県・市町村職員(障害者学習支援担当、生涯学習、教育、スポーツ、文化、福祉、労働等)、社会教育主事、公民館・図書館・博物館職員、特別支援学校等教職員、教職員経験者、障害者の学習支援実践者(NPO等)、大学関係者、福祉サービス事業所職員、社会福祉協議会職員等をはじめ、障害者本人、学びの支援者・関係者、障害者の学びに関心のある人などの幅広い参加者が集まり、障害者本人の学びの成果の発表や優れた実践事例の共有・協議、学びの場づくりに向けたワークショップ等を分科会等に分かれて実施することを想定しています。
政策の意義や障害者の学びを取り巻く現状と課題を踏まえた推進方策などについては、「障害者の生涯学習の推進方策について」(平成31年3月「学校卒業後における障害者の学びの推進に関する有識者会議」)にまとめました。本報告内容を踏まえ、障害者の生涯学習の更なる推進を図っていきます。

○外国人児童生徒等への支援
外国人児童生徒の増加や、保護者の国際結婚などによる日本国籍の児童生徒の増加等により、公立学校に在籍する日本語指導が必要な児童生徒は4万人を超え、その数は増加傾向にあります。
平成30年12月、政府は、「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」(外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議了承)を取りまとめました。本対応策において、外国人児童生徒等の教育についても今後一層の充実を図ることとしています。
これらを踏まえ、文部科学省では、公立学校における帰国・外国人児童生徒等に対するきめ細かな指導・支援体制を整備する自治体への補助事業において、多言語翻訳システム等ICTを活用した取組や、外国人高校生等に対して日本語指導に限らずキャリア教育や居場所づくりなども含めた包括的な支援を行う取組等の拡充を行います。
また、学校における指導体制の整備充実のため、2026年度までに日本語指導が必要な児童生徒18人に対して一人の教員が基礎定数として措置されるよう、義務標準法の規定に基づいた着実な改善を図るとともに、日本語指導補助者や母語指導員の派遣に対する補助も実施していきます。
さらに、平成31年度には、平成30年度に開発した外国人児童生徒等教育を担う教員の養成・研修モデルプログラムを普及していく予定です。このモデルプログラムは、大学、教育委員会、学校における養成・研修に資するよう、モデルプログラムにバリエーションを持たせており、多様なニーズに応じて研修を構成できるものとなっています。こうした取組を通じ、教員・支援員等の資質能力の向上を支援していきます。
そのほか、文部科学省ではこの度、外国人児童生徒受入れの手引きを8年ぶりに改訂しました。本手引きは、外国人児童生徒を直接指導する日本語指導担当教員、日本語指導協力者、外国人児童生徒の在籍学級担任、学校の管理職、さらには市町村教育委員会の担当指導主事、都道府県教育委員会の担当指導主事等を対象に、外国人児童生徒等を受け入れるに当たって、具体的にどのような視点を持ち、どのような取組を行うことが必要かを示すものです。今回の改訂により、特別の教育課程による指導などの新たな情報も加わる予定です。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/002/1304668.htm
また、外国人児童生徒等教育支援のための情報検索サイト「かすたねっと」もリニューアルを行いました。教材や保護者向け翻訳文書のほか、予定表作成ツールや基本情報、関連情報、注目記事なども掲載しておりますので、こちらも是非御活用ください。
https://casta-net.mext.go.jp/

○学校安全の確保
東日本大震災以降も西日本豪雨や夏季の異常な高温など自然災害が発生しており、関連して児童生徒等が犠牲になる事案が発生しています。
また、SNSやスマートフォンの普及に伴う犯罪など児童生徒等を取り巻く安全に関する状況の変化とともに、新たな危機事象も発生しています。
このような中で、児童生徒等の安全を確保するためには、「安全管理」として安全で安心な学校環境の整備や、子供たちの安全を確保するための組織的な取組を一層充実させること、及び、「安全教育」として、子供たちにいかなる状況下でも自らの命を守り抜くとともに、安全で安心な生活や社会を実現するために主体的に行動する態度を育成することが不可欠です。
また、これらの実現のためには、学校だけでなく、家庭や地域、関係機関と連携・協働した実施体制を確保していくことが重要となります。
しかし、学校安全に関する意識や取組については、地域間・学校間・教職員間に差があるとともに、継続性が確保されていないなど全ての学校において質の高い学校安全の取組が推進されているとは言えない状況にあります。
このような現状を踏まえ、文部科学省では、平成28年3月に「学校事故対応に関する指針」を取りまとめました。また、平成29年には学校安全の推進に関する施策の基本的方向性と具体的な方策を示した「第2次学校安全の推進に関する計画」を策定したところです。
これらの計画等の考え方や学校を取り巻く新たな状況を踏まえて、学校安全参考資料『「生きる力」をはぐくむ学校での安全教育』の改訂を行い、平成31年3月に全ての学校等に配布しています。この資料では、学校における安全教育、安全管理、組織活動の各内容を網羅して解説しています。また、防災教育資料『「生きる力」を育む防災教育の展開』(平成25年)の内容も含むものとなっています。
このほか、文部科学省としては、中核となる教職員を中心とした学校安全に関する組織的な取組の推進、教職員の研修の充実による資質・能力の向上、新学習指導要領を踏まえた教科横断的なカリキュラム・マネジメントによる安全教育の充実に向け、自治体や学校における学校安全の取組が一層推進されるよう支援していきます。
なお、文部科学省や各地方公共団体が作成した資料等を掲載した学校安全ポータルサイト(https://anzenkyouiku.mext.go.jp/)を開設していますので、是非御活用ください。

<音声トップページへ戻る>